炙るあざとさ、炙らない正直さ

映画とかあれとかそれとか

(85)万引き家族/家族の姿。是枝映画のリアリズム。

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出典:万引き家族 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

万引き家族

是枝監督パルムドール受賞、本当におめでとうございます。受賞作である本作を公開よりもいち早く、5月27日試写会にて鑑賞してまいりました。

 

『誰も知らない』で母親の育児放棄を描き、ドキュメンタリーかのような子供たち表情を強く印象的で、柳楽優弥の眼力はカンヌで最優秀男優賞をゲットするほど強かった。『そして父になる』では、家族における「血縁」にフォーカスを当て、「家族」という明確な答えがあるようで「実は定義しにくいものなのかも」と思わせる不思議なボールを我々に投げかけました。感情と血の狭間で揺れる福山雅治にムカついたし、泣きましたし。『海街diary』では、可愛すぎる4人の生活をいつまでも見ていたくなる家族像が。あの映画は5時間ものでもいい。美しいからいつまでも見たい(2回目)。『三度目の殺人』では、罪、罰するとは何かを描き、映像美と役所広司の映画でした。

さて、万引き家族

まさしく是枝監督の集大成的映画。世界にも評価され続けていた中で、この作品が受賞したことには、集約された作品性から。ザ・是枝。上に述べた技法に、日本が抱える社会性を匂わせた。そこに意味があり、評価すべきところがあったのかと。

とはいいつつ、画面の中で動く演者がやはり素晴らしいですよ。

 

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出典:万引き家族 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

樹木希林の良さは言うまでもないが、今作でも圧倒的でしたね。入れ歯を外して演じられてるのですが、ミカンの食べ方をマジで観て欲しい。ミカンの食べ方だけで、生活を感じさせ、日本社会の問題を露呈させることができてますもん。まじですごい。樹木希林にBIG UP。松岡茉優はおっぱいがいい。松岡茉優先生は「勝手にふるえてろ」が良すぎたので、もっと明るく動き回る役をやってほしいっす。

 

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出典:万引き家族 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

で、この二人というか、実質主役の城桧吏(ジョウ カイリ)くんですよ。是枝監督の子ども演出のうまさって、どうやっているのかホントに気になる。台本を与えず、その場で教えるというスタイルとは聞いているけど、それだけではないだろうし。目線とか、本当にうまくて、女の子の佐々木みゆちゃんも貧乏な子ども感がでていてすばらしいし。是枝監督の映画は子どもですねぇやはり。

 

 あとは、安藤サクラリリー・フランキーのそうめんシーンね。リリーフランキーはSWITCHのインタビューで一番汚い?濡れ場にしようとかいって挑んだらしくて。でもどこか、湿度高くて、アイテムも日本的で、尊いんですよね。

 

池脇千鶴も出てくるのですが、やはりあんな感じの世話焼き、横やり口出しおばさん役やらせたら天下一品すね。毎回そんな気がする。

 

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出典:万引き家族 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

ケンドリック・ラマーのピューリッツァー賞受賞もそうですが、作品から感じられる社会問題が地に足に付いたリアルであればあるほど評価する。世界の評価の潮流はそんな方向にあるのかもですね。

社会問題を明確に描いているわけでもなく、リアルをみつけてきて描いているようで。これは嘘じゃないと感じさせる。ドキュメンタリー出身である是枝監督の魅力は、まさしくその力量にある。

この作品は、嘘じゃない。その力はニュースで語るよりも強い。

 

世界がそう思ったんでしょう。

 

点数:88点

(84)孤狼の血/これ見なくて何をみるんじゃ

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出典:孤狼の血 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

孤狼の血

白石和彌監督のヤクザ映画。マジで待ってました。やってくれました。「日本で一番悪い奴ら」「彼女がその名を知らない鳥たち」で見せつけた、どうしようもない生活を描かせたら右に出るものはいないその手腕。その監督が、広島を舞台にしたヤクザものを撮るということを聞いた時から、ワクワクが止まりませんでした。なんせ仁義なき戦いとか大好きやし、それが今の時代に見られるなんて。最高過ぎるでしょ。

 

もうオープニングからかましてきますよ。ここでダメな人はもう見るなと言わんばかりのバチコンと顔面ストレート決めるかのごとく映像狂気。笑

ここで出てくる竹野内豊が、まんま「仁義なき戦い 広島死闘編」の大友なんですよ。格好から立ち振る舞いから。これだけで「ウェーーーーーイ!!!」とブチ上がりました。

 

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出典:孤狼の血 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

とはいいつつ、話を動かすのは役所広司演じる大上と、松坂桃李演じる広大こと日岡の警官コンビ。警察視点でのヤクザ抗争映画な訳なんですが、まぁ役所広司がねぇ。凄過ぎる。この人は本当に凄いわ。ヤクザ顔負けの凄みを効かせつつも、警察としての立ち振る舞いも微かに見せる絶妙な演じ具合。役所広司のお陰で、この映画の格が2ランク以上上がっている。そして、さらにそれを支えるというか、欠かせない男前要員でもありつつ、演技も最近キレキレの松坂桃李。途中何度か気が狂ったようになるシーンがあるのですが、その狂い加減が絶妙。

他にもキャストがええんですよ。右翼っぽいピエール瀧も最高やし、

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出典:孤狼の血 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

クラブのママの真木よう子も程よく凄みがあって良い。真木よう子に関しては、もうちょっと肉付きよくした方が良かったなぁ。痩せ過ぎてるあたりがちょっとエロさが不足してました。ヤクザが通うクラブのママ感は弱いが、演じるべきパートはしっかりおさえてて、やはり流石ですよ。

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出典:孤狼の血 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

あとは、ヨウスケエグチも若頭としては、ヒョロ過ぎましたねぇ。インテリヤクザタイプをやるにしてももうちょい肉付きよくしてほしかった。ただ、最高でしたよ。

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出典:孤狼の血 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

ストーリーも面白いし、画力も強いし、汗の質感や、演者の気迫がもう最高にマリアージュしてて、マジでめちゃくちゃ面白かったです。

白石和彌監督いい映画作ってくれましたよ。

東映配給だからか、なんか宣伝がイマイチ下手な気がするんですが、めちゃくちゃヒットしてほしい一作!

こういう映画が今の日本は売れるべき!

応援してます!

 

95点

(83)そして父になる/是枝監督おめでとうございます

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出典:そして父になる : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

そして父になる

映画「万引き家族」によるパルムドールの受賞。是枝監督おめでとうございます。

コンスタントに映画を作り続ける監督でかつ、すべて良作という化け物監督。スタッフが呆れるほど、編集を何度も繰り返す徹底っぷりだそうで。ほんとうに映画好きな監督で、作品愛がそれぞれの映画から感じられます。

そして、なぜか最近までずっと観ていなかった「そして父になる」も、家族を描いた作品としてはすばらしい映画でした。パルムドール受賞という、すばらしい機会なので感想を書いておこうかと思います。

 

出生時に取り違えられた子どもと、その両家族の顛末、心模様が描かれている本作。

この作品はとにかく心が痛い。

都会のタワマン在住で、大企業に所属するエリートサラリーマンである、福山雅治演じる父。かたや一方は、北関東の田舎町で「町の電気屋」を営んでいる、リリーフランキー演じる父。この二人、、、いや、この二人が父である「両家族」の描写を通して、さまざまな「家族の幸せ」の形について、観客に問いかける。

 

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出典:そして父になる : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

福山雅治演じる父は、仕事があれば、土日も出勤。家でも仕事。家族とのコミュニケーションはあくまで、空いている時間に。仕事で家族サービスもできず妻との口論もざらに。会社での評価は高く、仕事の優先順位は何よりも高い。それに伴う給料は生活スタイルや車、家から見える景色が物語っている。

 

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出典:そして父になる : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

それに反して、リリーフランキー演じる父。自営業であるため、家族と触れあう時間だけは山ほどある。描写からも家族との時間を最も大切にしているように感じられる。車は、家業である電気店の店名が入った軽バン。経済面も含めて、あまりに対照的な両家族。

 

この家族に起こる、子どもの取り違え。

 

発覚は子どもが6才になったタイミング。自我も芽生え、なんとも遅すぎるタイミングである。

病院を交えた様々な議論。両家族間の交流。子どもをどうするのか。家族の幸せとは。金なのか。時間なのか。6年というともに育った時間。血縁という繋がりを優先するのか。

様々な投げかけがありすぎて、私は正直とまどいました。2時間あまりの時間で、答えは出るのか?いや、ここに答えはないのか。当事者にしか決められないことであり、ここで言う当事者は本質的な主人公でもある父、福山雅治。その福山雅治がどのような答えを出すのか。

そのラストに、私は感涙しました。

さまざまな家族の形があってよくて、その家族内での接し方も様々。家族の数だけ幸せの種類があり、不幸もまた同様。そのなかで、この映画における「解」を示した是枝監督の力量にあっぱれです。

 

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出典:そして父になる : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

是枝ファミリーでは常連の樹木希林が、今回もすばらしいです。第三者というか、もっと達観した視点からのアドバイスというか、どこかおかしみを持って接する姿に、この映画のなかの安らぎがあります。

 

万引き家族、見逃せないですね。

 

90点

(徒然)誕生日の話/民宿とか消防法とか

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33才になった。‪

生きてる事に感謝して美味いもんくわせてもらった一日。

ただ、母からの寂しい報告もあった。

泣いた。

実家である民宿を閉めると。

小さい頃から、手伝っていた民宿。

料理や、接客のお手伝いが、オレのアイデンティティを形成していたことは間違いない。そんな民宿。それがなくなる事に悲しくなり自然と涙が出た。

33才初日から涙流すとは。‬

実家から離れてからも、ホームページを作ったりした。

もう閉店仕様にした。

peraichi.com

 

消防法が昨年改正され、実家のような民宿でも、様々な消防設備をつける必要が出てきたそうだ。見積もったら200万円と。61才になる母には、いつ元が取れるかもわからず、しんどいと。滋賀の山奥で、、、そらそうや。

同じ理由で閉める宿も多いらしい。

この法の猶予がこの3月31日だったようで。

「民宿 閉店」でリアルタイム検索すると、たしかに閉店する民宿情報が見られる。

母曰く、消防の方が「様々なところで、商売するなっていうことか!と怒鳴られて、、、」と話していたそう。

民泊とか絡んでいる改正かと思うが、世知辛い世の中です。

あの広い家、ゆくゆくはどうしようなぁ。

民宿が閉まることで、こんなに悲しくなるとは。

ほんと、お疲れ様でした。

(特別編)2017 俺の新作シネマランキング BEST 10

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2017年は年初に60本映画観る。と目標を立てるも、後半失速しまして、結果50本で着地。そん中から2017年公開の新作ベスト10をざっくりと決めましたが、明日にはまた気分が変わっているかも。※作品横の数字は、映画を観た当初の採点。年間ランキングは後に残ったかどうかも考慮しているため、参考程度に。

 

10.イップマン 継承 88

ドニー兄貴も歳とったけど、クールカンフームービーはやめないで欲しい。やはり詠春拳の連打は最強ですよ。奥さんの前で、木人椿のカコカコ鳴らしながら練習するシーンは、泣いたなぁ。

 

9.ゲットアウト 87

あんまりスリラー系は観ませんが、これは面白かった。ドキッとさせるシーンで、隣の人が椅子から飛び上がって驚いてて、それ今でも思い出し笑いする。

 

8.三度目の殺人 91

日本の演技の最高峰が観られる素晴らしい1本。息子さんがやらかしちゃった橋爪功が特に素晴らしい。名優。あの人はもっと俳優してほしい。この映画の「真実なんて誰もわからない」というテーマ性を、日馬富士の事件見るたびに思い出す。

 

7.メッセージ 89

ただただ好き。宇宙人ものが好きやし、言語を科学的に分析するとかも大好き。時間軸も多次元的に入り組んだりして、映画に漂う雰囲気もよかった。最後泣いたなぁ。

 

6.HiGH & LOW THE MOVIE2 END OF THE SKY 91

最高オブ最高。ハイローシリーズはこれだけ観ればOK、と勧められるくらい最高。ジェシーコブラの喧嘩アクションシーンが日本映画史に残るアクションシーン。あと、マイティーウォーリアーズのライブシーンは世界一。

 

5.帝一の國 91

 今年イチのナーメテータームービー。クソ映画かなと思って観たら、今年映画館で一番笑った映画に。脚本もいいし、俳優も振り切ってるし、演出もいいし。応援上映も行ったし、菅田将暉好きになったなぁ。

 

4.ムーンライト 89

渋谷で観たあと歩いたなぁ。いろいろ考えたし、残ってる映画。印象に残る肌の色ムービー。

 

3.ドリーム 90

ただただ面白い。ファレルの音楽も最高。ドリームのキャストと結構かぶっててる。裁判官とのやりとりがあるシーンとか大好き。NASAが残業しないのが印象に残ったなぁ。笑

 

2.沈黙 サイレンス 93

映画館で「あぁ、これが映画や。あぁ、おもしれぇ。この雰囲気、空気感。あぁ名作。」となった映画。宗教映画が大好きなこともあるけど、めっちゃ嫁さんと語り合った一作でした。めっちゃいい映画。名作。

 

1.BABY DRIVER 94
冒頭5分で脳汁ドパァ〜してからの「カッコ良過ぎるやろおい!」って立ち上がりたくなった最高の1本。とにかくカッコいい。音楽ここまで使うかと。何回も観たいし、今後この映画真似してくる映画たくさん出て来そうやなぁ。大好きな一本になりました。


【次点】

ビジランテ 90

入江悠監督グッドでした。


・22年目の告白〜私が殺人犯です〜88

これも入江悠監督グッドです。面白かったし、結構好き。


・サバイバル・ファミリー 86

淡々と描くリアルな描写がすごい嫌な気分にさせたけど、それが良かった。予告がテイスト違い過ぎ。


散歩する侵略者 82

これも変な映画やけど、好きやったなぁ。

 

以上!

パターソンとアトミック・ブロンド見逃したのが痛い。早く配信されて欲しい。

来年こそ60本観る!

 

 

(82)ビジランテ/地方で生きるということ

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出典:ビジランテ : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

ビジランテ

ちょっとネタバレ入ってるかもなのでお気をつけて読んでください。

入江悠監督によるオリジナル脚本作品。大森南朋鈴木浩介、桐谷健太の主演で、入江監督の地元である埼玉県深谷を舞台に地方都市特有の暗部を描いていく。

ビジランテ : 作品情報 - 映画.com

 

この作品の中には、日本の地方に漂う独特な嫌な空気感が嫌というほど、溢れてる。

やたら殴るオヤジ。ショッピングモール。相続。市議会レベルでのしょうもない出世争い。それに命をかけてる馬鹿。工場で働く低賃金労働者の中国人コミュニティ。それを理解できない自警団。自警団のださいユニフォーム。デリヘル。偉ぶるチンピラ。路面店の焼肉屋。ショッピングモール。くそじじい。くそじじい。くそじじい。全員が全員視野が狭い。マジで狭い。小さい。埼玉の町で偉ぶることのくだらなさ。この小さいようで大きいコミュニティは日本中に溢れてる。

この映画で象徴的な川のシーン。少年時代に渡ったのは、長男の一郎のみ。その一郎だけが町を抜け出して、生活を送っていた。「川」はそんな小さなコミュニティと外界の境界線のように描かれていたのかもしれない。くそやろうではあるが、町のチンピラに怯えず、土地を守ることを決めたのも一男。この町の争いの規模に、くだらなさを感じていたのかもしれない。このしがらみで三兄弟が争うのも川の中。大人になって三郎も川を渡り、そこから行動に変化が現れる。渡らなかった二郎はそのコミュニティーでの成功を目指す。町の中でしか描かれないこの映画のロケーションも、コミュニティーの小ささをあざ笑うかのよう。僕も田舎から出てきたタイプなので、残っているやつと出たやつの違いってのが結構身に染みましたね。

たまたま一人で観に行ったので、嫁にどういう映画だったのか説明しずらいくらい、なんて言えばいいのか咀嚼がいる映画。でも、観てよかった。

映画としては、結構バイオレンスで、エロも田舎っぽくていいし、入江監督っぽい長いカットや、音のどきっとさせる演出など、非常に面白かった。地方のくだらないしがらみの中で争う、視野が狭い大人たちの嫌な世界を、入江監督は、めちゃリアルに描くこともできたと思うけど、そこをあえてフィクションの色を付けて描いて、映画としても面白くみれるよう地方というコンテンツを脚色してる。

俳優は、桐谷健太がめちゃくちゃいい。主役は3人だと思いますが、桐谷健太の映画といっていいと思います。ライトでポップな桐谷健太をここまでハードに使えるか。桐谷健太ファンになりました。大森南朋の不気味でなにやらかすかわからない感じとか、鈴木浩介の真面目っぽさもほんとよくて、この三人がまた絶妙にミスマッチ。この画面上のミスマッチ感が生き別れた兄弟感を演出しててそれだけで最高でした。般若でてきたのは驚きましたが、いい雰囲気出してた。篠田麻里子はなんともですが。

途中の一郎のニットがくそダサくて笑った。

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 大森南朋の芸の幅の

なんといっても、桐谷健太がすごい映画でした。

画面からも寒さが伝わってきて、いろんな人がみたらいいなと。

 

点数:90点

(お笑い)M-1グランプリ2017感想

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出典:News about M1グランプリ on Twitter

 

M-1グランプリ2017

各コンビの気持ちが漫才にのっかって、緊張感までビシビシ伝わってくるこの感じ。

M-1ですねぇ。M-1は雨降っても終わらないのがいいですよね(©️とろサーモン)。

てなことで、M-1の余韻に浸りながら各コンビ振り返ろうかと。

 
1組目 ゆにばーす

ファーストラウンドの漫才で、一番好き。それくらい、ゆにばーすは凄かったし上手かった。敗因は順番だけでなく、認知度の低さも大きい。認知度低いコンビが一番手はエグい。はらちゃんと川瀬名人のキャラをつかむまで審査員も警戒する。それなのにしっかりウケたゆにばーすはすごかった。

あまりにウケてたから松っちゃんも「客がいいのか、ネタが受けてるのか」とコメントするくらい、会場には客笑いの「笑い圧」が発生してたんでしょう。

蛇足ですが、前座として客席を温めた、レイザーラモンくまだまさしバイク川崎バイクの功績も非常に大きい。

 

それにしても、川瀬名人のツッコミはいい。ツッコミMVPあげるとしたら、とろサーモン村田か川瀬名人か。M-1優勝したら引退するって公言するだけあるくらい、M-1漫才の巧者。自分たちの漫才がどう見られてかがわかってる。それを象徴するのが、最初の自己紹介の中でのシバキツッコミ。昨年、上沼恵美子がカミナリのシバキ漫才に不快感を示したのはあまりにも有名な話。そんな上沼恵美子が今年も審査員。男女コンビとして、ボケの女の子へのシバキツッコミは、強さ次第で一発「上沼アウト」が入る可能性がある。上沼の「女の子そんな叩いたらあかんわ」とコメントする姿は容易に想像できる。そこで見せたのが、川瀬名人の寸止めツッコミ。頭を叩くモーションはみせたが多分触れた程度に済ませていた。川瀬名人痺れるぜ。そのあと、普通に叩くこともあったけど、漫才のテンションが上がっている中なので気にならない。よしもとを「弊社」というセンスや、この大会での1番のパンチラインだと感じた「どんな戦争も嫌じゃ!」というツッコミ。強いワードやなぁ。漫才の構成も1階フリがずっと効いてて、素晴らしかった。オチツッコミ後にキュッと漫才をシメる何かがあっても良かったかなぁ。

来年は、はらちゃんの露出も増えるやろうから「イェーイ」も浸透して、ダダ滑りしていた敗退時の「遺〜影」ももう少しウケるやろう。来年は優勝かもな。

 

2組目 カミナリ

前述したゆにばーす後のシバキ漫才なので、上沼評が的を得ていました。シバキツッコミで笑いが起こってない。ネタは面白いけど、なんとなくハマってない。昨年とフォーマットは変えてましたが、あのシバキ漫才は、前の構成の方がシバキと笑いがリンクしてたかなぁ。あのシバキはボケが全く言うことを聞かないタイプやから面白いからなぁ。敗退コメントの撫でツッコミは笑えた。まだまだ楽しみなコンビ。

 

3組目 とろサーモン

とろサーモンはずっとみてきてますが、ようやく熟しましたね。すかし漫才、ボイパネタを経て、久保田のふてくされ感に村田の間のいいツッコミというスタイル。上手さがすごい。ネタはそんなに変えてない中でも、間違いなく昨年よりも面白い。久保田の変人キャラがしっかり確立され、村田のツッコみもめちゃくちゃ上手くなってる。ツッコミ時の声量や、久保田をシバく強さも変えたりしてちゃんとM-1用になってる。温泉女将ネタも今まで見た中で一番の面白さ。上がるべくして上がりましたね。

 

4組目 スーパーマラドーナ

うまいし、テンポいいし、面白いが、昨年のような爆発的な面白さがあったかというと、なんとも。まず、合コンネタに「オネエ」がいたというフリがM-1向きではない。なんでこんな入りにしたんかなぁ。保毛尾田保毛男が叩かれまくった最近の流れで、オネエがいたからおもしろかったしって導入はなぁ。ただ、合コンシーンの細かいネタはどれも面白くて、乾杯のくだりとか最高に笑ったんやけど、やはりフリが効くわけでもなく、最後までオネエいるか?ってなりました。ただ、面白かった。

 

5組目 かまいたち

面白いなぁ。テンポと細かいネタの挟み込みという、最近の賞レース向け漫才の中ではトップ級の漫才。巨人師匠はこれ系のネタにやたら点数つける傾向にある。「卍」とか、かまいたちっぽさも入ってて盛り上がりもよくて、かまいたちはほんとすごい。ただ、悪いとこないけど、一番おもしろかったかと聞かれると、、、そうでもない。そんな感じやなぁ。

 

6組目 マヂカルラブリー

マヂカルラブリーは去年の敗者復活戦ネタが大好きなんですけど、今回は全然M-1にハマってませんでしたね。というか、ツッコミ村上の良さが全然出てませんでした。野田クリスタルの奇行にタイミングよくツッコミ続けるフォーマットなのに。M-1決勝で暴れる野田への好奇心が勝ってたのか、間とかが全然良くなかった。まさかこの舞台でも、いつもの野田さん見せてくれるんですか?という「野田好き」感が出すぎて、ツッコみ弱かったなぁ。ただ、野田のボケ展開も弱くて、席に座るくだりは3回目くらいまで腹痛かったけど(大好き)、天丼続けるなら立ち見とか挟まず座るくだりやり続けるとか、舞台に視点変えるとかせんと。ハマれば跳ねると思うんやけどなぁ。来年まで刀磨いといてほしいな。

 

7組目 さや香

ルーキーらしい、テンション漫才。とてもいい。こやつらは売れる。テレビ向き。ガツガツしてるけど、悪いところも、ほとんどない。伸びしろしか感じない。今後が一番楽しみ。ほんといい。

 

8組目 ミキ

まさかのミキがここに来てやりましたね。順番も一番いいポジション。テンションもマックスの掛け合い漫才。動きと話芸で、細かいネタも挟み込みまくって、無知系のネタでわかりやすさもあって、完璧。漫才ってこれ。最高峰ですね。伯父の上岡龍太郎も感動したやろなぁ。言うことなさ過ぎて、感動。印象にも残ったし、言うことないなぁ。

 

9組目 和牛

ミキで感動してる間もないままに、和牛がやりましたね。もうめちゃくちゃオモロイ。9組目というくじ運も最高。Wikipediaによると、ネタは水田主導で二人で考えてるらしいけど、構成作家入れてるんちゃうかと思うレベル。大きいフリの中にも細かいボケが散らばらめられてて、その後のオチの流れも面白くて素晴らしい。大フリ大オチの構成は、麒麟がルーキー時代にM-1決勝でやった漫才を思い出させる。しかし、グラフのくだりは笑ったなぁ。水田二役の構成もすごいし、漫才というより、和牛劇場を見た感じ。二人で作り出せる世界観を超えてる。すごい。

 

10組目 ジャルジャル

漫才というか、ジャルジャル漫才ですね。スタンドマイク1本を前に、二人で言葉を使ってどう遊ぶか。ジャルジャルは毎回新しいし、面白いし作り上げてくる。出来上がってる。とろサーモンみたいなの久保田の調子によっておもしろさが変わるアドリブ要素満載の掛け合い漫才の対極にあるから、いつみてもおもしろい。去年のネタの方が好きやけど。ただ変わり種やなぁ。順番最後はかわいそうすぎる。パンクやった。漫才よりも、採点後の福徳の悔し涙にM-1を見た。こいつらこれに人生かけてるんやもんな。泣ける。

  

ファイナルラウンド 

とろサーモン

やばいネタ持ってきたかと思った。おいもやさんは「陰毛」のくだりをしつこくやるパターンがあるから、こいつらやりおった!と思いましたが、さらっとしてたし、今までで一番おもしろかった。二人とも今日はキマってるなぁ。

 

ミキ

 1本目が強すぎて、2本目のネタはちょっとわかりにくさもあり、これがミキの本来の姿という感じか。

 

和牛

和牛がやりたいネタ持ってきてましたな。水田の嫌みいいまくるネタは、全然M-1向きちゃうのに、急にロックみせてくるやん。ま、これが和牛漫才の原点で、真骨頂かもしれんけど、優勝ネタではなかったなぁ。あほやなぁ。

 

ということで、優勝はとろサーモン

漫才は一番うまかったし納得です。

 

しかし、敗者復活の天竺鼠はおもしろかったなぁ。あと、ランジャタイが1番目という状況も笑えたし、ネタも緊張してたんかひどくて笑った。ランジャタイも上沼恵美子にははまらんやろなぁ。笑

 

ゆにばーすがすごくて、ジャルジャルに感動して、とろサーモンの悲願に泣いた夜でした。