炙るあざとさ 炙らない正直さ

刺身とか映画とかあれとかそれ

(92)夜明けのすべて/すべてを救う映画

©瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会

いつか夜明けがやってくる。

 

誰もかれも何かしらの闇を抱えているかもしれないし、抱えていないかもしれない。

日常の中にもその闇から抜け出すかすかな光は存在するかもしれないし、しないかもしれないし、気づいていないだけかもしれない。

行動を起こしたものだけが救われるわけでもない。

誰もが互いに助け合う。

助け合うと表現すると強いかもしれない。

手を差し伸べるかな。手を差し伸べようとしてみるくらいか。

それくらいの感覚でもいいから、手を添えてあげようくらいのささやきを映画からも感じる。

 

「夜明け」という言葉が表す光のグラデーションを、

ほころびのないライティングを通して、丁寧に丁寧に綴っていた。

光の強弱、淡さ、影、空、天候。

語りすぎない登場人物の心象を代弁する。

 

あらゆる人の救いになる映画だと思う。

日本映画にとっても、観る人にとっても、制作者にとっても。

 

映画の出来、脚本、演出、美術、スタイリング、すべてに感動して、

後半15分くらいはずーーーっと泣いてしまった。

 

ささいな演出で泣けるんすよね。

 

これは100点すわ。

 

 

(91)山本KIDの愛と夢 〜IT WAS ALL A DREAM〜

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神の子。

生い立ちや彼自身のオーラ含め、この言葉が似合う格闘家は彼以外いない。

 

リアルタイムで観ていた私からすると、あの存在感やタレント性、センス、運、オーラはとびっきりに特別だった。

そんな彼のドキュメンタリー。

 

彼のファンとしての私の感想としては、見たかったものではなかった。

権利の問題で、使えない試合があるのもわかる。故人として描く限界があるのもわかる。

この作品は、時系列で彼の生涯をなぞるように描いている。これはこれで素晴らしいし、意味はある。多くの人が、彼を語り、人物像を浮き上がらせる構成も大変だったと思う。彼の後継者、アーセンで、歴史は続いている、、、というような形で締めたくなるのもわかる。

 

正直な感想、何が言いたかったのか、作品からは伝わらなかった。

前半と後半での構成がチグハグで、後半に行くにつれてKIDがカッコ悪くなって行く。そのような印象を受けて、少し腹が立ってきたりもした。最後の方の車でのインタビューなんかいるか?カッコ悪い。

 

山本KIDという選手は多くの格闘技好きの中で、強さやかっこよさを残したままこの世を去った存在だったはず。

 

もっと、カッコよく描くべきだし、こんな強い奴がいたなんて!と、今、彼を知らなかった人に、そう思わせる。そんな作品であるべきだったはず。

 

とはいえ、この作品、しがらみもかなり多かったとは思う。思い入れもあるだろうし、編集で切りたくても切れない人もいただろう。

 

素材はそのままで、構成を入れ替えて、編集するだけでよくなる気はする。

この作品をどう構成すればさらに良くなるか、考えてみた。

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初めは、亡くなったグアムから始めたい。KIDはもうこの世にいない。その、亡くなった事実を改めて、視聴者に突き付けたい。

彼を看ていたグアム人?の方のインタビューでスタートしてもいい。誰これ?という冒頭での違和感は大事。FIRSTスラムダンクが沖縄から始まるように。

 

あとは、強かった事実や、彼がどう強かったのか。ただ、それをひたすら見せて欲しい。彼に勝った選手からも語らせたい。

魔裟斗が語るKIDもおもろいけど、試合の解説はいらんのですよ。なぜ強かったのか、彼の強みは。それが知りたかった。長すぎ。YouTubeとちゃうねんから。

 

宮田のインタビューももっと削っていい。むしろいらないかも。あとは、窪塚の墓参りシーンとか、姉ちゃんが海沿い歩いてるシーンもほんといらない。エンドロールの試合も不用。

KIDのインタビューも大半が不用。UFCの言い訳や、「もしRIZINに出たら」と語っているインタビューもいらない。マジでダサいから。あんなKIDは観たくない。

 

彼がどこにこだわり、どのようにトレーニングして、何を大切にしていたのか。そんなインタビューだけを紡いで、1時間程度にしてほしい。

 

あんな選手は二度と現れないですよ。と誰かが言ってあれば、それがラストでもいい。

 

IT WAS ALL A DREAMではない。

それを否定する作品でなければならなかったのではないのか?

タイトルもこれでいいんじゃね?

 

「神の子 IT WAS NOT ALL A DREAM」

 

違う監督の描くKIDもみたくなりました。

 

60点

M-1の1回戦に初挑戦した話/漫才ネタ『温泉宿』

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漫才やってみたい。

という思いから、2022のM-1に出場してきました。初チャレンジです。

お笑い、漫才の感想をえらそうに書いて、自分でもやってみるとどうなるか試したくなりまして、37歳の初挑戦です。

M-1好きの友人とエントリーし、1ヶ月前からネタを考え、練習し、いざ本番。

M-1の出場者側の流れなんですが、まずコンビ名、個人情報、芸名、出場希望日を記入した申込書をだします。郵送で。

そのあとは、ひたすらM-1のサイトをチェックして、自分たちがどこの予選日に割り振られたか、自分で探さないと行けないんですね。連絡はゼロ。そらそうですよね。事務局お疲れ様です。

 

結果はまぁ、1回戦敗退です。当たり前なんですが、ネタ弱い、演る方も弱い。

多少オチ前からウケたんですが、まだまだでしたね。自己採点はやり切れた達成感から60点ですが、普段のここで書く第三者目線だと10点。クソですね。全然です。

 

しかし、わかったこともめちゃくちゃありました。ネタ、上手さ、会場。この3つが重要で、この総合点がウケにつながる。

芸人さんがやたらと会場が重いとか、客の話するの、そんなに関係あるか?と思ってましたが、まぁ重要。

参加した日がアマチュアだらけの日程で、1日で160組。8時間です。再入場禁止。観る側のテンションも大変。会場も埋まりは4割程度で、ガチM-1ファンと、途中入場の他の出場者の身内と思われました。なので、まぁ重い会場。われわれは誰も呼んでいないので、どアウェイ。素人は人を呼んででも会場を味方につけるのが大事ですね。ほんと。演者もひっぱられるし、我々の前のアマチュアコンビもウケなさ過ぎて、明らかにネタ飛んでました。今度から劇場観に行ったら、めちゃくちゃ笑うようにしたいとおもいます。

 

ま、敗者の戯言は置いといて、相方とネタを作る中で出て来たけど、我々には合わない「温泉宿」という没ネタがあります。

1回戦用なので2分ネタです。

とても好みなんすけど、どこかニューヨークとか金属バットぽいけど、システムっぽいしむずい。

 

『温泉宿』

 

AB どうも〜よろしくお願いします。

A このあいだ、温泉宿に行ってきまして、

B 温泉宿、いいですね。

A そこが最高だったんですよ

B へーどんな感じやったん

A たたずまいから歴史情緒ある宿でね。

B 歴史を感じられる温泉宿いいねぇ

A 入り口には有名人のサインが沢山飾ってあって

B いい宿行ったなぁ。誰が来てる宿なん?

A 大橋巨泉大島渚野坂昭如(指折り数える)

B ???

A 兵藤ゆきさん

B メンツがえらい昭和やなぁ。昭和のテレビやん。時代もうちょい流せよ。

A それでね、食事がまた最高で

B 温泉宿の食事も楽しみですな

A お刺身がまた絶品で

B どんなお刺身でした?

A 女性の裸の体の上にキレイに盛り付けられていて

B ???

A どこから食べようか迷うのもまた楽しくて(迷い箸する)

B 昭和!女体盛りは昭和やな。大炎上するぞ!どこの温泉やそれ。教えろ。

A 楽しすぎてねぇ、お酒も飲み過ぎて、ころんじゃって

B 楽しみすぎや。飲みすぎたのわかめ酒ちゃうやろな。

A 膝すりむいたら、宿の人が赤チン塗ってくれて

B 昭和やなぁ!なんもなおらんやろあれ。なんやそこ

A 締めのデザートがナタデココ

B デザートは平成やな。女体盛りの後にナタデココ出す宿のどこがええねん。

A 食後には女将司会のビンゴ大会も始まってね。

B 騒がしいな。温泉宿でビンゴ大会すんなや。

A ビンゴ大会の景品がドリームキャストとたまごっちで

B 平成!景品が平成!

  時代感どうなってんねんその宿。

  ちなみに誰とその温泉いったんよ

A マッチングアプリで出会った女の子と

B 出会いは令和!!!

  やめさせてもらうわ。

  ありがとうございましたー

(お笑い)伝説の一日 ダウンタウンの漫才

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ダウンタウンの漫才

10年前。


2012年の吉本興業100周年"伝説の一日"でダウンタウン

エキセントリック少年をやった。

ダウンタウンが舞台にたつと、これやるんかぁと思った記憶がある。

natalie.mu

ダウンタウンは誰もが知ってるお笑いのコンビであり、

お笑いの象徴として崇められ、

洗っても落ちないカリスマ性が身についてるわけで、

漫才(ネタ)のハードルは想像するに難くない。

 


そして、10年後の今。2022年の"伝説の一日"。

千秋楽3回目の香盤のトリには、ダウンタウンとしか記載がなく、
何の演目をやるのかと配信チケットを買って、たいそう注目した。

吉本興業創業110周年 特別公演 伝説の一日 千穐楽 参回目(4/3 15:10)online-ticket.yoshimoto.co.jp



というのも、ダウンタウンが漫才やりそうなフラグは少なからず立っていた


この10年の間に何があったかというと、
M-1が復活して松ちゃんが審査員に返り咲いた。

そこでの審査評も「くそーおもろいなぁ」とか悔しさをにじませたり、
「まあ、僕の好みなんでしょうけど、最近ツッコミの人って、結構こう笑いながら楽しんでる感じが、僕はそんなに好きじゃないんですよ……」と浜ちゃんツッコミへの愛とも取れるようなコメントをしたり、初期M-1での審査評とはまた違って、客観的でもありつつ、お笑いプレイヤーとしての面がちらほら見えるようなコメントが増えてきていた。

TwitterでもR-1やTHE Wの審査評をしたりと、お笑いに対する世間への見せ方はだいぶ変わっていたようにも見える。

キングオブコントの回では、キレッキレのコントをやってみせて、よりプレイヤーとしての面が強くなり、水曜日のダウンタウンの「おぼんこぼん」回でも、「漫才師にしかわからないものってあるからね」といったコメントも強く印象に残っている。

極めつけが、2022年3月21日にNHKで放送されていた「笑いの正体」でのコメント。

「漫才は日本語遊び。日本語って面白いというのが俺の漫才の根本にはある」

放送日、コメント内容からも4月3日(日)の「伝説の一日」を意識しているように見られた。

 

そして、2022年4月3日。

 

出囃子はEPOダウンタウン


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ダウンタウンへ繰り出そうよ~」と合わせて下手から登場するダウンタウンと、
それと同時にせり上がってくるサンパチマイク。

メチャクチャしびれましたよね。

スーツ姿でいつも通りシャツの第一ボタンは締めず、ちょいゆるネクタイで決める松ちゃんに、パーカーの浜ちゃん。このバランスがまたいい。

スタイリスト完璧かよ。

サンパチマイク前に二人が立つだけで、もう何かはできあがっていて、
何を発しても爆笑をとれそうな雰囲気があった。

漫才内容は明記しませんが、

松ちゃんの巧みな言葉選びと一瞬???とさせるボケ。

それを瞬時に理解し、追いかけた方がよいボケとそうでないボケを判断し、
巧みに言葉を掴んで、間だけでもツッコミする浜ちゃん。

もうこの二人がすごすぎて、なんかもうすごくてすごかったですね。

 

やっぱ、浜ちゃんが怒るとおもろいなぁ。

 

期間限定でしか見られないこの二人の漫才。

もうちょい見たいと思います。

 

絶対買って見た方がいい。

 

 

(お笑い)M-1グランプリ(2021年)3回戦動画から見つけた好きな漫才10選

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

 

今年もアホほど漫才動画見てます。

M-1決勝というバラエティ番組も死ぬほど好きですが、予選動画にほとばしる民放には及ばないアングラ感が一番興奮します。

 

ということで、個人的にはまった10組のネタを。

 

マユリカ

好きすぎて10回は見た。わかりにくい例えも復唱することでしっかり抑えてるし、たまりませんわ。仕上げてきてますな。今年決勝いって欲しい候補No.1。はまれば優勝ある。

軍艦

NSC生らしいんですが、この黒服スタイルとネタのうまさ。これから感が最高ですよね。準々決勝ネタもおもろかったし、舞台に立ちまくれば一気に売れそう。

 


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もも

このフォーマットでやってる二人しか観たことないが、昨年より良いし、準々決勝ネタはかなり仕上がっていた。めちゃくちゃ間が大事な漫才なんで、ピカピカに磨いて欲しい。はまれば決勝からの残り3組ある。

 

そして同じ動画内の

吉田たち

ダイタクにも近いけど、絶妙なうまさがある。双子漫才って息はあってるから、マジでネタなんすよね。準々はネタ選びミスった気がしましたね。


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ヒコロヒーとみなみかわ

単純にうまいし、ネタがいい。決勝向きではないが、3回戦には抜群のネタ。準々決勝ネタはそう来たか~というかんじですね。あんまり笑いいじりって準決勝あがりずらいから、3回戦スタイルにしてたらよかったのに。そして3回戦のヒコロヒーのトレーナーのサイズ感が絶妙でいい。


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井下好井

うまいし、ネタもいいと思うんですが、つかみが弱いというかそのエピソードいるかってなりますよね。まくら的な意味合いはわかるけど。昔の10回クイズとかおもろかったのに。期待したい。


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素敵じゃないか

東京の予選で「滋賀県の長浜」を出す不思議さはあれど、まだまだおもろなりそう。


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ダウ90000

あたらしいし、おもしろい。準々決勝のネタより好き。


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チェリー大作戦

漫才でのコントって実は自由なんやなと気付かせてくれる。スゴイ好き。


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カラタチ

オタクっていう切り口どやねんと思うけど笑わせるあたり、オタクでなくてもいけそうなくらい地肩強そう。

EXIT

メタ目線でのネタ、準々決勝も含めとてもいい。1回戦からやってるのがすばらしいし、ネタもいい。


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11組になってしまいましたが、今年もM-1は予選からおもしろいということで。

 

決勝も楽しみですねぇ。

(90)花束みたいな恋をした/ありふれた二人が特別で尊い

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(C)2021「花束みたいな恋をした」製作委員会

花束みたいな恋をした

 

好きなものを上手に語れる人はモテます。

これ持論なのですが、好きなものって理由を説明しづらいんですよね。食べ物にしても映画にしてもなんにしても。なんとなく感覚で「好き」ってことが多い。

たとえば「餃子」が好きな場合、「美味しいから」ってのは当たり前で、そこに「中華料理屋だけじゃなくてラーメン屋とか居酒屋とかどこにでもあって、それぞれ違う顔があって面白いじゃないですか。それに酢に胡椒だけとかタレを工夫すればまた味が変わっておもしろいし」って加えると、「あ、この人お酒飲むんだ」とか「ラーメン好きなんだ」とか「酢に胡椒だけ?おいしそう!」みたいなポジティブ好き情報が盛り込まれる。そうすると、話聞いている側は、一つでも好きな共通点があれば「一緒だっ」てなるんすよね。

 

反対に嫌いなものばかりを語る人はモテない。

「嫌い」は理由が明確なんで、語りやすいんすよ。

餃子嫌いなやつがいたとして「大衆っぽさが、、、中国の食い物でしょ?酢も臭くて嫌いだし」とか目の前で言ってたら、締め落としてやるんですが、知らずに相手の「好き」を否定してる可能性があるんですよね。この人と一緒だと餃子食べられないんだとか。嫌いを語ると、自分から相手と距離を離して、自分で「合わない」を演出してしまう。モテない人の出来上がり。ま、聞く側の気分が良くないですよね。

 

といっても、この「モテ」ってのは「好まれやすい」ってだけで、恋愛が上手いかどうかは別の話。

 

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(C)2021「花束みたいな恋をした」製作委員会

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(C)2021「花束みたいな恋をした」製作委員会


付き合うと、相手の嫌いも見えてくるし知ることになる。

付き合うってのは、そんな相手と少しずつ擦り合わせながら、日々生活を重ねていくことかなと思います。

相手に合わせて嘘で見繕う事もできるけど、しんどいんですよね。好きだけじゃなかなか難しい。

 

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(C)2021「花束みたいな恋をした」製作委員会

この「花束みたいな恋をした」は、好きなものを語りあう二人が、ただただ描かれているから、本当に尊い

 

二人から出てくるとんでもない数の固有名詞にひとつでも引っ掛かれば、二人が好きになる。それは音楽や漫画や小説以外にも場所や食べ物、仕草、時間もそう。

 

5年もあれば、生活のフェーズや会う人や環境も考えも変わる。好きなものが変わっていくのも当たり前。変わらず、ずっと同じものを好きな人がいても当たり前。

そして、そのすれ違いに心をゆらゆら揺らがされるのも、映画の中の二人とリンクしてしまう。

 

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(C)2021「花束みたいな恋をした」製作委員会

好きなものでつながり続けるって難しい。

そうだった時は楽しいから、そうでない話の時のギャップもまた深い。

 

そんな時の変化もいつかの誰かを見ているかのようで尊い。それは楽しかったし。

 

何かを思い出させるような二人の5年を見せてもらってありがとうございます!という感謝の思いで溢れました。いっぱいです。

 

何について語っていたかなんてどうでも良くて、好きなものについて話し合ってる人達って、見てるだけで楽しいんですよね。

そして、そんな相手がいるってめちゃくちゃ幸せなんですよ。

満たされました。

フィクションなのにここまでリアルで自然なのがもう圧倒的に凄かったです。

 

次回作の話題もあるようですが、

麦が仕事辞めて、イラストをまた描き始めて、少し有名になって、麦のトークショーを見に来ていた絹(既婚・子あり)と、次の仕事までの空き時間の2時間散歩しながら話す。

というビフォアサンセットまるパクリの映画やってほしいすね。

 

坂元裕二は神。

 

96点!

(お笑い)M-1グランプリ2020感想

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https://www.youtube.com/watch?v=etA0yavd4EE より

M-1グランプリ2020

漫才でしたねぇ。

コロナ禍において開催してくれた開催主催者、スタッフ陣、そして無事決勝に出られた漫才師のみなさま。本当にありがとうございました。笑いは救いです。

昨年がおもしろすぎて「期待してはいけない!」とは思いつつ、2回戦からチェック。そして今年はまさかの準決勝ライブ配信!という一部ファンがぶち切れるイベントが発生。準決勝は聖域やぞ!ライブ配信みたいに軽いもんちゃう!どういうことやねん!と私も腹立ちながら3000円払って家で見ました。1歳のkidsがいるので助かりますね。(とはいいつつ、もともと映画館ライブビューイングが予定されそれさえも激戦チケットとなり、数千人が視聴したとされる配信。仮に3000円×5000人でも1500万の売上。M-1恐ろしや。)

準決勝のネタをみていたこともあり、おいでやすこがの決勝ハネはだいぶ予想できました。アキナのだだ滑りも。そして、まったく予想できなかったチャンピオン・マヂカルラブリー

今年も振り返りますか。

 

1組目 インディアンス(敗者復活)

今年の順番見て思ったのは、敗者復活は今後も1組目に固定にすべきやなと思いました。準決勝にも敗者復活的な枠がありますが、既に1組目固定。オマケなんやし。

ちなみに、敗者復活もめちゃくちゃおもろかったです。ぺこぱがまさかの準決勝ネタ温存でしたね。あれ出したら普通にウケもあるやろし行けたやろな。弱いネタと人気だけでは無理ですな。

インディアンスはトップバッターとしては最強ですね。きむのツッコミも年々素晴らしくなってるし田渕のボケも嫌味が少なくなってきてる。昨年の漫才を見た中川家の剛が「ギターソロを続けてるみたいな漫才」と言ってましたが今年はセッションしてましたね。言い間違いからのボケという計算し尽くされた漫才。しっかりおもろい。ただ、ヤンキーて。ネタもうちょい考えた方がええやろな。ナイストップです!

 

2組目 東京ホテイソン

おもろかったです。ただ、審査員の点みて気付いたのは、「ホテイソンを知っているあなた向け」のネタでしたね。あの文字混ぜとかしりとりとかってもっとわかりやすい事例がフリにもあったはずなんすけどM-1サイズの漫才にしてわかりにくくなったかもですね。まだまだ審査員勢やM-1しか見ない視聴者には認知度低かったですね。しかし、そのスタイルは続けてくれ!

 

3組目 ニューヨーク

優勝すると思ってたニューヨーク。ネタは最高に好きなんですけど、やはりゴールデンタイムにはハマらなかったか。悪さは最強なんすけどねぇ。その悪さがもっと爆発する笑いになるといいんですが。めちゃくちゃおもろかったんすけど、準決勝のときのほうが好きでした。ドン引きがフックになってたし。2本目見たかったなぁ。

 

4組目 見取り図

準決勝でこのネタ見た時はヤバいかもと思ったんですが、やっぱり時と場所が変われば全然ちゃいますね。めちゃくちゃおもろかった。ずっと3位にいるのは見てられんかった。見取り図のことは本当に好きなんで、優勝してほしかったなぁ。

 

5組目 おいでやすこが

2回戦の動画見て下手したらあるやろなとはおもてました。なんせ、ネタのテレビ受けがいい。時間帯も合ってるし。準決勝で見た時は、おいでやすがリミッター外しててめちゃくちゃ笑いましたし、決勝で同じことやれば間違いなく3組に残ると思ってたんで、やはり来ましたね。

2本目弱いやろなぁと思ってたらその通りで。やはりこの二人はボケというかフリが全て。こがのうまい歌ネタもおいでやすのボケというよりもフリに近い気がする。松ちゃんの「この後ルミネの出番やろ?」からの「あるかー!」が一番笑えたように、サクッとおいでやすにパス渡した方がいいんすよね。フリが上手ければ上手いほどおいでやすが輝く。おいでやすはポケモンの技のオウムガエシの使い手ですよね。平場でのバラエティが楽しみ。

 

6組目 マヂカルラブリー

マヂカルラブリーは今年もハマらないと思ってました。ただ、セリ上がりの土下座から空気変えてましたね。おみそれしました。野田の認知度の高まりと村上のツッコミの上手さが予想以上で輝いてました。2017の感想にも書いたんですがこの2人は村上が大事。漫才としては、衣装以外はもう完成形やと思いますね。もっとかっちりしたスーツとかで全く同じネタしたらもっとおもろいんかな。どやろな。見てみたい気もします。

 

deki-sumeshi.hatenadiary.jp

 

7組目 オズワルド

松ちゃんと全く同じ意見でした。もっと抑えた漫才の方がこの並びならいける気がするなぁ。ネタの強さ相当必要やろけど。「ハタナカ」がaaaaで口が開きっぱなしやから改名するってネタもいいんですけど、この二人にはもうちょっと普段の会話の延長的なネタがみたいっすよね。改名ってところからイヤイヤイヤと引っかかるし。畠中が変なこと言ってそれを直すって手法。今回の口が空いてるネタやるなら、二人で口が開きっぱなしの人探して、どうしたらザコ寿司放り込めるか作戦会議する話し合いとかの方がおもろそうな。ワイナイナとかiあるけど開きっぱなしになるし。ま、ええか。まだまだ楽しみですなぁ。

 

8組目 アキナ

準決勝はウケてたんすけど全く同じネタやったら決勝の審査員陣には厳しいやろなぁと思いました。40のおっさんが地元の女の子好きってのは無理あるわなぁ。会場もウケてなかったみたいですね。流れとかね、ありますしね。ただネタ終わりに即座に「恥ずい」と言える平場の強さは流石。ABEMAのM-1振り返り番組でやってたバーテンのネタの方が何倍もおもろかった。ネタ選びむずいっすね。

 

9組目 錦鯉

好きです。おもろいですからね。とことんアホなネタがいい。ただ、この時間帯にパチンコネタはどやねんと思ってましたが強いネタなんでそのままやりましたね。たぶん、40、50代のおっさんはめちゃくちゃ笑ってたやろなぁ。この時間帯向けのネタ探しですね。素晴らしかったです。

 

10組目 ウエストランド

やはり地下で吠えているのが一番似合うタイプでしたね。準決勝の場とかは最高に似合うネタなんですよ。妻がネタでなく本当に悲壮感を感じると言っていて、そら心のそこからの叫びなんやからそうやろとは思うんですけど。井口のバックボーンわかってないとむずいのか、所見で笑いにならんかったらだめっすかね。あと勢いが弱かったかな。オレは笑ったけど。

 

最終決戦

見取り図

優勝してほしかったけど、パンチが弱かったなぁ。十分すぎるほどおもろいんやけど。

 

マヂカルラブリー

野田クリスタルの作戦勝ちですよね。つり革を残しての最終決戦。準決勝笑ったしなぁ。やっぱ村上がいい。これで優勝したらあかんやろって雰囲気もありましたが、おもろいもん勝ちが証明されましたね。すばらしいです。

 

おいでやすこが

1本目のネタが良すぎるんでね。2本目はしゃーない。十分爪痕を残したと思います。

 

審査員の先生方ですが、えみちゃんねる、巨人師匠は今年で終わりかもと思わせる点数の幅でしたね。ただ、巨人師匠のコメントは一番初見の視聴者に近いと思わせて、良いバランス感もってるなと思いました。

 

漫才、お笑いサイコー!

 

点数:100点