炙るあざとさ 炙らない正直さ

刺身とか映画とかあれとかそれ

(お笑い)キングオブコント2018感想

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出典:https://natalie.mu/owarai/news/300839

 

キングオブコント2018

いやー、今年は特に面白かった。いい大会でしたねー。

事前にコンビが公表されない構成はなんでやろうとかいろいろ考えてたんですが、ま、それはそうかもなという決勝のラインナップ。事前に公表しても、視聴率は上がる要素ないですね。笑

なんでこんな平均的に面白いのかと思っていたのですが、その要因として大きいのは、今年からのルール改正。ネタ時間が4分から5分に1分延びたようです。コントはやはり長いほうがいいんですかね。後半尻上がりに面白くなるネタが多かったのも、時間が関係してるんでしょう。

ルール改正は他にも、決勝10組の上位5組が2回目のネタができていた昨年までと違い今年は3組まで。時間の関係でしょうが、5組観たかったなぁ。

あと、審査についてなんですが、、、。今年は特になんですけど、バナナマンさまぁ〜ず松本人志の5人審査体制が実質3人審査でしたね。バナナマン日村と設楽、さまぁ〜ず三村と大竹のコンビ点数がコンビだからかほぼ同じ。感性というか好みが同じなんでしょうね。絶対的に面白いものには間違いなく高得点はついているのでいいのですが、やはり好みが出るネタ時の差がね。ま、ええんやけど、もうちょっと違う人いてもいいかもとは思いました。

 

ということで、今年も1組1ネタごとにレビューしようかと。

1.やさしいズ/爆弾犯

やさしいズは初めて見ましたけど、ボケがいい。佐伯元輝とタイによるコンビでよしもとの8年目なんですね。ボケのタイは確かにタイっぽい。このタイのひょうひょうとした言い回しや、話の間は絶妙。「工業出てるんで」っていうところの間とか、最高。佐伯の迫真の演技もうまい。「劇団?」ってセリフがあるが、ほんとに劇団的な言い回しと、タイのゆる感じとの落差がいい。ネタさえハマればもっと面白くなりそう。今回のネタは、神バイトとしての説明に山が来てしまって、後半の展開が弱かったかな。言い回しがおもしろいコンビやから漫才やればいいのに。動きがあるセグウェイとかもそんなにおもしろくないし、会社やめて清掃員になるって気が変わる展開もおかしいし。でも初っ端としてはすばらしい。

あと、バイトなめてるし、ベロ酔いでバイトに来れるってセリフから映画「きみの鳥はうたえる」の柄本佑かよと思って、途中から柄本佑にしか見えなかった。

 

deki-sumeshi.hatenadiary.jp

 

 

2.マジカルラブリー/傘泥棒

マジカルラブリーこんなちゃんとしたネタやれるんかいな。絶対コントのほうが戦場合ってる。野田クリスタルがもっと暴走するかと思ってたけど、しっかり演技してるし。村上もちょうど良い演技具合。切り取っている設定もコンビニの傘置き場ってのが新しい。ネタの終わり方もいい。ただ、タイムリープ設定なんで、最初にもっとしつこく笑えるネタ入れて、それが延々とタイムリープなら最高なんですけど。コントネタ頭なのか、下手したらキングオブコントこれからも出続けそう。

 

3.ハナコ/犬の声

はい来ました。ワタナベエンターテインメントの結成4年目。秋山(飼い主)、岡部(犬)、菊田(友人)の3人。初めてみましたけど、設定最高やし、そもそもうめぇし、めちゃくちゃ笑いました。もう犬の岡部がうまい。人間っぽいセリフの選択、絶妙さもさることながら、犬としての動き声の強弱つけた出し方もうまい。秋山の犬のいなし方もめちゃくちゃリアル。いらないと言われてた菊田のジャーキーあげる際のセリフもうまい。これ一回でも犬飼ったことあるやつ全員笑うやろ。すげぇのがいるわ。

あと、6人目の審査員としても注目している浜ちゃんのハナココント終わりの一言なんですけど「いいんじゃないの〜」はもう90点オーバーの一言でしょう。「お前らアホやろ」が

 

4.さらば青春の光/鼓舞する人

これも笑ったなぁ。めちゃくちゃ好き。ホワイトボードあったらピラミッド書いて、森田の「お前らここ」って、もうすぐにでもやりたい。同じネタを何回も繰り返しておもしろいってすごい。さらばは最初の設定が最高で、いつも後半の展開からのオチがシュンとしちゃうんですよね。今回やとどうですかね。あのピラミッドおじさんが最後までもっとテンション高いままで、やっぱり入ってきたらピラミッド書き続ける展開が観たかったなぁ。あのおじさんがピラミッドの下って言われてるのを知りながら、またハイテンションで入ってきて泣きながらピラミッド書いて泣き叫ぶ感じの。

今年が最後の出場とか言ってますけど、やめてくれー。誰も責めないので、来年も出てください。ほんとお願いします。

 

5.だーりんず/お会計

だーりんずね。さすがベテランやし、年相応のキャラを演じていてうまい。こんな俳優おるがな。といか、俳優やったほうがいいやろ。ただこのお会計まとめて払おうとしたら安かったってネタなんですけど、ハライチのラジオでまんま岩井さんがエピソードトークで話してたネタやったなぁ。やはりオチが弱いなぁ。

 

6.チョコレートプラネット/教えろ

これは今日の1・2を争うおもろネタでした。めちゃくちゃ笑ったし、ネタの構成が完璧。無視なのか聞こえていないのかわからないまま監禁された松尾がひたすら質問を叫んで、延々と質問を続ける構成。これ永遠と叫ぶ松尾もすごいけど、白眉は犯人長田の台詞回し。どもるところとか、言い直しとか、ハッハッハという笑い声の差し込むタイミング。完璧すぎる。あと「匂いは知らないわ」っていう壁を挟んだコミュニケーションの欠点を笑いにしてる点もすごい。後半の、頭の装置で松尾がセルフ拷問しだすところもしっかりおもしろいし。ラストの第三者が出てくる展開もオチにつなげるのに悪くないし。何回見てもおもろいやつ。

 

7.GAG/友達のバイト先

去年がひどかっただけに、なんで今年も決勝に出てきてんねんと思ったんですけど、後半の2人のやり取りに対する福井によるツッコミ展開が素晴らしかったですね。前半からやりゃええのに。前半はGAGの悪いところというか、なんやねんこれという時間が長い。よくGAGが入れがちなんですけど、最初の設定の説明なんか抜いたらええのに。もっと後半のような2人ボケ+福井ツッコミの構成で、ネタのボケとかツッコミの中で設定がわかるように構成すればええのに。しかし、GAGで初めて笑いました。

ただ浜ちゃんも「後半まくりましたね〜」って褒めてたのに、採点後の電卓のボケがクソすぎて最悪でしたね。

 

8.わらふぢなるお/ザ・クエスチョンマン

これね、好きです。口笛なるおの腹たつ感じと、店長のツッコミ具合ね。これ実際にやられると相当ムカつくんですけど、ムカつく具合をうまく観客に逃さず、ツッコミで受け切ってるし、「これ店長の背中ですか」あたりの質問が絶妙。これ漫才でもできそうに見えて、コント的な設定がないと成立しないんですよね。唯一なんやこれと思ったのは、オチの暗転ピンスポ。あんなのいるか?間も悪いし。最後は「今日でクビです」からの「この店をですか?」「この店をだよ」「この店というのは今僕がたっている〜」と永遠とやり取りは続く中で暗転とかでもよかったような。

 

9.ロビンフッド/息子の嫁

このネタすごいおもしろかったんですけど、二人ともベテランてこともあって、めちゃくちゃうまいし。ただこれ、漫才ネタですね。干支で話すあたりとか、言葉遊びで十分おもしろいし。年齢めちゃくちゃな感じも、リアリティないのが逆によかったですし。漫才でみたいなぁ。

 

10.ザ・ギース/物の記憶

ま、ザ・ギースはおもろいからぁな。サイコメトラーエイジ設定。しっかりおもしろい。ただ、しっかりおもしろいだけやなぁ。そんな能力あるやつを犯人である警官が呼ぶっていう設定とかもひとつよくわからんし、オチも正直好きではないです。三村がいってたとおり、犯人は警官でないほうがいい。別にコントにドラマは求めてない。なかなか売れませんねぇ。

 

ということで、ここで10組終了。

決勝3組なんですけど、やはりさらば青春のひかりは2回目見たかったなぁ。

 

決勝1組目.ハナコ/青春の追いかけっこ

いや、もうオチの「女むずぅ」で優勝決定。すごいわ。めちゃくちゃおもしろい。最初のセリフや二人の淡い青春の間から始まるやりとり。演技が上手い。花子のすごいところはコントでの動き。追いかける時のランニングマンの立ち位置は、真横でなくちょっと斜めにしてるところとか、本当にうまい。テレビでは、表情を捉える演者の正面カメラワークでしたが、舞台正面の定点の方が二人の動きがしっかり見れておもろかったと思う。さらに、菊田が出てくるタイミングもいい。

いやー、走って追いかけて、誰かわからん奴が出てきて、また追いかけて、追いついて、キスして終わるコントてなんやねん。

誰も傷つかないし、誰を下げるでもないし、変な下ネタでもない。そんでもってしっかりおもしろい。

女性の気持ち訳わからんわ!って今までに一回でも思ったことある奴は全員笑うやろ。

間違いなくハナコは売れるわ。

 

決勝2組目.わらふぢなるお/超能力

おもしろいんですけど、おもしろいだけやなぁ。ケンカシチュエーションから、相手の超能力に付き合う流れになるか?ってどうでもいい設定も気になるし。こういうコントは3人の方が面白いやろなぁ。かけられてる側がつっこむってのがそもそも無理ある。終盤の超能力たたみかけるとこは、ハマってればめちゃくちゃ跳ねるネタやと思うんやけどなぁ。でもわらふぢなるおはおもろかった。

 

決勝3組目.チョコレートプラネット/大工

これね。客席静まり返っとったがな。ハナコの優勝が冒頭で判明したネタでしたね。ロッチ現象ですね。

 

ということで、ハナコの優勝で終わったキングオブコント2018。ハナコに出会えた最高の大会でした。

 

ハナコの今後が楽しみ。

 

(86)きみの鳥はうたえる/心地よさと不快さのはざまにある青春群像

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(C)HAKODATE CINEMA IRIS

 

きみの鳥はうたえる

とてもいまっぽくて、雰囲気のいい映画でした。観てよかった。

「いまっぽい」ってのが人間模様をさすのか、フリーターというか、何者でもない若者のゆったりした生活模様がいまっぽいのかはなんともいえないのですが(両方かも)、なんとなく「いまっぽい」映画。

昔(といっても今60代の親世代とか)もこんな人たちはいたんだろうとは思うけど、映画にはなってないやろうなぁ。

 

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(C)HAKODATE CINEMA IRIS

 

なんというか、不真面目で、自由で、働くことに対する意欲も薄い。けど、なんとなくの心のつながりは大切にするというか、自分の欲望に正直というか。とくに憧れはいだかないんやけど、なんかいいなぁと思える空気感がこの映画の中に生まれている。

 

20代の半ばに弟と二人で4年くらい住んでたことがあって、よく飲みにいったりもして、この映画のなんともない二人の生活とかもすごいシンクロして、いろいろ沁みた。

 

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C)HAKODATE CINEMA IRIS

この映画で初めて観たんですが、石橋静河さんすごいいい。美人すぎない美人で、笑顔とか体型とか声含めて、いい。映画の中では冷静に考えるとこいつが一番ひどい女やないか、ってとこもあるんですが、どうでもいいっすね。

 

あと、音楽がすごいよかった。不協和音というか、はずしたリズムだとか、ちょっとした違和感を感じさせるとこも音楽の妙だったと思う。

 

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C)HAKODATE CINEMA IRIS

どうでもいいんですけど、新宿の武蔵野館に情報なんもなしで観に行ったんで、着てた服が、大好きなラッパーが多く所属する「Summit」のロゴがどんと書いてあるTシャツだったんです。(普通にかっこいいからよく着てる)で、観てたらクラブシーンあるし、OMSB出てくるし、エンドロールに協力 Summitって出てくるしで、「熱狂的なSummitファンが、クラブシーンに出てくるOMSBをSummitTシャツ着て観に来た」みたいな感じがしてすげぇ恥ずかしかった。ほんま恥ずかしかった。

 

というわけで、出てくる俳優みんな最高なんですが、萩原聖人のおやじ店長っぷりのかっこつけてない感じが一番最高でした。まじかっこいいわ。

柄本佑の髪型含めて、観て損なし。

 

点数:87点

 

(85)万引き家族/家族の姿。是枝映画のリアリズム。

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出典:万引き家族 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

万引き家族

是枝監督パルムドール受賞、本当におめでとうございます。受賞作である本作を公開よりもいち早く、5月27日試写会にて鑑賞してまいりました。

 

『誰も知らない』で母親の育児放棄を描き、ドキュメンタリーかのような子供たち表情を強く印象的で、柳楽優弥の眼力はカンヌで最優秀男優賞をゲットするほど強かった。『そして父になる』では、家族における「血縁」にフォーカスを当て、「家族」という明確な答えがあるようで「実は定義しにくいものなのかも」と思わせる不思議なボールを我々に投げかけました。感情と血の狭間で揺れる福山雅治にムカついたし、泣きましたし。『海街diary』では、可愛すぎる4人の生活をいつまでも見ていたくなる家族像が。あの映画は5時間ものでもいい。美しいからいつまでも見たい(2回目)。『三度目の殺人』では、罪、罰するとは何かを描き、映像美と役所広司の映画でした。

さて、万引き家族

まさしく是枝監督の集大成的映画。世界にも評価され続けていた中で、この作品が受賞したことには、集約された作品性から。ザ・是枝。上に述べた技法に、日本が抱える社会性を匂わせた。そこに意味があり、評価すべきところがあったのかと。

とはいいつつ、画面の中で動く演者がやはり素晴らしいですよ。

 

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出典:万引き家族 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

樹木希林の良さは言うまでもないが、今作でも圧倒的でしたね。入れ歯を外して演じられてるのですが、ミカンの食べ方をマジで観て欲しい。ミカンの食べ方だけで、生活を感じさせ、日本社会の問題を露呈させることができてますもん。まじですごい。樹木希林にBIG UP。松岡茉優はおっぱいがいい。松岡茉優先生は「勝手にふるえてろ」が良すぎたので、もっと明るく動き回る役をやってほしいっす。

 

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出典:万引き家族 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

で、この二人というか、実質主役の城桧吏(ジョウ カイリ)くんですよ。是枝監督の子ども演出のうまさって、どうやっているのかホントに気になる。台本を与えず、その場で教えるというスタイルとは聞いているけど、それだけではないだろうし。目線とか、本当にうまくて、女の子の佐々木みゆちゃんも貧乏な子ども感がでていてすばらしいし。是枝監督の映画は子どもですねぇやはり。

 

 あとは、安藤サクラリリー・フランキーのそうめんシーンね。リリーフランキーはSWITCHのインタビューで一番汚い?濡れ場にしようとかいって挑んだらしくて。でもどこか、湿度高くて、アイテムも日本的で、尊いんですよね。

 

池脇千鶴も出てくるのですが、やはりあんな感じの世話焼き、横やり口出しおばさん役やらせたら天下一品すね。毎回そんな気がする。

 

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出典:万引き家族 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

ケンドリック・ラマーのピューリッツァー賞受賞もそうですが、作品から感じられる社会問題が地に足に付いたリアルであればあるほど評価する。世界の評価の潮流はそんな方向にあるのかもですね。

社会問題を明確に描いているわけでもなく、リアルをみつけてきて描いているようで。これは嘘じゃないと感じさせる。ドキュメンタリー出身である是枝監督の魅力は、まさしくその力量にある。

この作品は、嘘じゃない。その力はニュースで語るよりも強い。

 

世界がそう思ったんでしょう。

 

点数:88点

(84)孤狼の血/これ見なくて何をみるんじゃ

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出典:孤狼の血 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

孤狼の血

白石和彌監督のヤクザ映画。マジで待ってました。やってくれました。「日本で一番悪い奴ら」「彼女がその名を知らない鳥たち」で見せつけた、どうしようもない生活を描かせたら右に出るものはいないその手腕。その監督が、広島を舞台にしたヤクザものを撮るということを聞いた時から、ワクワクが止まりませんでした。なんせ仁義なき戦いとか大好きやし、それが今の時代に見られるなんて。最高過ぎるでしょ。

 

もうオープニングからかましてきますよ。ここでダメな人はもう見るなと言わんばかりのバチコンと顔面ストレート決めるかのごとく映像狂気。笑

ここで出てくる竹野内豊が、まんま「仁義なき戦い 広島死闘編」の大友なんですよ。格好から立ち振る舞いから。これだけで「ウェーーーーーイ!!!」とブチ上がりました。

 

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出典:孤狼の血 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

とはいいつつ、話を動かすのは役所広司演じる大上と、松坂桃李演じる広大こと日岡の警官コンビ。警察視点でのヤクザ抗争映画な訳なんですが、まぁ役所広司がねぇ。凄過ぎる。この人は本当に凄いわ。ヤクザ顔負けの凄みを効かせつつも、警察としての立ち振る舞いも微かに見せる絶妙な演じ具合。役所広司のお陰で、この映画の格が2ランク以上上がっている。そして、さらにそれを支えるというか、欠かせない男前要員でもありつつ、演技も最近キレキレの松坂桃李。途中何度か気が狂ったようになるシーンがあるのですが、その狂い加減が絶妙。

他にもキャストがええんですよ。右翼っぽいピエール瀧も最高やし、

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出典:孤狼の血 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

クラブのママの真木よう子も程よく凄みがあって良い。真木よう子に関しては、もうちょっと肉付きよくした方が良かったなぁ。痩せ過ぎてるあたりがちょっとエロさが不足してました。ヤクザが通うクラブのママ感は弱いが、演じるべきパートはしっかりおさえてて、やはり流石ですよ。

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出典:孤狼の血 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

あとは、ヨウスケエグチも若頭としては、ヒョロ過ぎましたねぇ。インテリヤクザタイプをやるにしてももうちょい肉付きよくしてほしかった。ただ、最高でしたよ。

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出典:孤狼の血 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

ストーリーも面白いし、画力も強いし、汗の質感や、演者の気迫がもう最高にマリアージュしてて、マジでめちゃくちゃ面白かったです。

白石和彌監督いい映画作ってくれましたよ。

東映配給だからか、なんか宣伝がイマイチ下手な気がするんですが、めちゃくちゃヒットしてほしい一作!

こういう映画が今の日本は売れるべき!

応援してます!

 

95点

(83)そして父になる/是枝監督おめでとうございます

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出典:そして父になる : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

そして父になる

映画「万引き家族」によるパルムドールの受賞。是枝監督おめでとうございます。

コンスタントに映画を作り続ける監督でかつ、すべて良作という化け物監督。スタッフが呆れるほど、編集を何度も繰り返す徹底っぷりだそうで。ほんとうに映画好きな監督で、作品愛がそれぞれの映画から感じられます。

そして、なぜか最近までずっと観ていなかった「そして父になる」も、家族を描いた作品としてはすばらしい映画でした。パルムドール受賞という、すばらしい機会なので感想を書いておこうかと思います。

 

出生時に取り違えられた子どもと、その両家族の顛末、心模様が描かれている本作。

この作品はとにかく心が痛い。

都会のタワマン在住で、大企業に所属するエリートサラリーマンである、福山雅治演じる父。かたや一方は、北関東の田舎町で「町の電気屋」を営んでいる、リリーフランキー演じる父。この二人、、、いや、この二人が父である「両家族」の描写を通して、さまざまな「家族の幸せ」の形について、観客に問いかける。

 

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出典:そして父になる : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

福山雅治演じる父は、仕事があれば、土日も出勤。家でも仕事。家族とのコミュニケーションはあくまで、空いている時間に。仕事で家族サービスもできず妻との口論もざらに。会社での評価は高く、仕事の優先順位は何よりも高い。それに伴う給料は生活スタイルや車、家から見える景色が物語っている。

 

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出典:そして父になる : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

それに反して、リリーフランキー演じる父。自営業であるため、家族と触れあう時間だけは山ほどある。描写からも家族との時間を最も大切にしているように感じられる。車は、家業である電気店の店名が入った軽バン。経済面も含めて、あまりに対照的な両家族。

 

この家族に起こる、子どもの取り違え。

 

発覚は子どもが6才になったタイミング。自我も芽生え、なんとも遅すぎるタイミングである。

病院を交えた様々な議論。両家族間の交流。子どもをどうするのか。家族の幸せとは。金なのか。時間なのか。6年というともに育った時間。血縁という繋がりを優先するのか。

様々な投げかけがありすぎて、私は正直とまどいました。2時間あまりの時間で、答えは出るのか?いや、ここに答えはないのか。当事者にしか決められないことであり、ここで言う当事者は本質的な主人公でもある父、福山雅治。その福山雅治がどのような答えを出すのか。

そのラストに、私は感涙しました。

さまざまな家族の形があってよくて、その家族内での接し方も様々。家族の数だけ幸せの種類があり、不幸もまた同様。そのなかで、この映画における「解」を示した是枝監督の力量にあっぱれです。

 

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出典:そして父になる : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

是枝ファミリーでは常連の樹木希林が、今回もすばらしいです。第三者というか、もっと達観した視点からのアドバイスというか、どこかおかしみを持って接する姿に、この映画のなかの安らぎがあります。

 

万引き家族、見逃せないですね。

 

90点

(特別編)2017 俺の新作シネマランキング BEST 10

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2017年は年初に60本映画観る。と目標を立てるも、後半失速しまして、結果50本で着地。そん中から2017年公開の新作ベスト10をざっくりと決めましたが、明日にはまた気分が変わっているかも。※作品横の数字は、映画を観た当初の採点。年間ランキングは後に残ったかどうかも考慮しているため、参考程度に。

 

10.イップマン 継承 88

ドニー兄貴も歳とったけど、クールカンフームービーはやめないで欲しい。やはり詠春拳の連打は最強ですよ。奥さんの前で、木人椿のカコカコ鳴らしながら練習するシーンは、泣いたなぁ。

 

9.ゲットアウト 87

あんまりスリラー系は観ませんが、これは面白かった。ドキッとさせるシーンで、隣の人が椅子から飛び上がって驚いてて、それ今でも思い出し笑いする。

 

8.三度目の殺人 91

日本の演技の最高峰が観られる素晴らしい1本。息子さんがやらかしちゃった橋爪功が特に素晴らしい。名優。あの人はもっと俳優してほしい。この映画の「真実なんて誰もわからない」というテーマ性を、日馬富士の事件見るたびに思い出す。

 

7.メッセージ 89

ただただ好き。宇宙人ものが好きやし、言語を科学的に分析するとかも大好き。時間軸も多次元的に入り組んだりして、映画に漂う雰囲気もよかった。最後泣いたなぁ。

 

6.HiGH & LOW THE MOVIE2 END OF THE SKY 91

最高オブ最高。ハイローシリーズはこれだけ観ればOK、と勧められるくらい最高。ジェシーコブラの喧嘩アクションシーンが日本映画史に残るアクションシーン。あと、マイティーウォーリアーズのライブシーンは世界一。

 

5.帝一の國 91

 今年イチのナーメテータームービー。クソ映画かなと思って観たら、今年映画館で一番笑った映画に。脚本もいいし、俳優も振り切ってるし、演出もいいし。応援上映も行ったし、菅田将暉好きになったなぁ。

 

4.ムーンライト 89

渋谷で観たあと歩いたなぁ。いろいろ考えたし、残ってる映画。印象に残る肌の色ムービー。

 

3.ドリーム 90

ただただ面白い。ファレルの音楽も最高。ドリームのキャストと結構かぶっててる。裁判官とのやりとりがあるシーンとか大好き。NASAが残業しないのが印象に残ったなぁ。笑

 

2.沈黙 サイレンス 93

映画館で「あぁ、これが映画や。あぁ、おもしれぇ。この雰囲気、空気感。あぁ名作。」となった映画。宗教映画が大好きなこともあるけど、めっちゃ嫁さんと語り合った一作でした。めっちゃいい映画。名作。

 

1.BABY DRIVER 94
冒頭5分で脳汁ドパァ〜してからの「カッコ良過ぎるやろおい!」って立ち上がりたくなった最高の1本。とにかくカッコいい。音楽ここまで使うかと。何回も観たいし、今後この映画真似してくる映画たくさん出て来そうやなぁ。大好きな一本になりました。


【次点】

ビジランテ 90

入江悠監督グッドでした。


・22年目の告白〜私が殺人犯です〜88

これも入江悠監督グッドです。面白かったし、結構好き。


・サバイバル・ファミリー 86

淡々と描くリアルな描写がすごい嫌な気分にさせたけど、それが良かった。予告がテイスト違い過ぎ。


散歩する侵略者 82

これも変な映画やけど、好きやったなぁ。

 

以上!

パターソンとアトミック・ブロンド見逃したのが痛い。早く配信されて欲しい。

来年こそ60本観る!

 

 

(82)ビジランテ/地方で生きるということ

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出典:ビジランテ : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

ビジランテ

ちょっとネタバレ入ってるかもなのでお気をつけて読んでください。

入江悠監督によるオリジナル脚本作品。大森南朋鈴木浩介、桐谷健太の主演で、入江監督の地元である埼玉県深谷を舞台に地方都市特有の暗部を描いていく。

ビジランテ : 作品情報 - 映画.com

 

この作品の中には、日本の地方に漂う独特な嫌な空気感が嫌というほど、溢れてる。

やたら殴るオヤジ。ショッピングモール。相続。市議会レベルでのしょうもない出世争い。それに命をかけてる馬鹿。工場で働く低賃金労働者の中国人コミュニティ。それを理解できない自警団。自警団のださいユニフォーム。デリヘル。偉ぶるチンピラ。路面店の焼肉屋。ショッピングモール。くそじじい。くそじじい。くそじじい。全員が全員視野が狭い。マジで狭い。小さい。埼玉の町で偉ぶることのくだらなさ。この小さいようで大きいコミュニティは日本中に溢れてる。

この映画で象徴的な川のシーン。少年時代に渡ったのは、長男の一郎のみ。その一郎だけが町を抜け出して、生活を送っていた。「川」はそんな小さなコミュニティと外界の境界線のように描かれていたのかもしれない。くそやろうではあるが、町のチンピラに怯えず、土地を守ることを決めたのも一男。この町の争いの規模に、くだらなさを感じていたのかもしれない。このしがらみで三兄弟が争うのも川の中。大人になって三郎も川を渡り、そこから行動に変化が現れる。渡らなかった二郎はそのコミュニティーでの成功を目指す。町の中でしか描かれないこの映画のロケーションも、コミュニティーの小ささをあざ笑うかのよう。僕も田舎から出てきたタイプなので、残っているやつと出たやつの違いってのが結構身に染みましたね。

たまたま一人で観に行ったので、嫁にどういう映画だったのか説明しずらいくらい、なんて言えばいいのか咀嚼がいる映画。でも、観てよかった。

映画としては、結構バイオレンスで、エロも田舎っぽくていいし、入江監督っぽい長いカットや、音のどきっとさせる演出など、非常に面白かった。地方のくだらないしがらみの中で争う、視野が狭い大人たちの嫌な世界を、入江監督は、めちゃリアルに描くこともできたと思うけど、そこをあえてフィクションの色を付けて描いて、映画としても面白くみれるよう地方というコンテンツを脚色してる。

俳優は、桐谷健太がめちゃくちゃいい。主役は3人だと思いますが、桐谷健太の映画といっていいと思います。ライトでポップな桐谷健太をここまでハードに使えるか。桐谷健太ファンになりました。大森南朋の不気味でなにやらかすかわからない感じとか、鈴木浩介の真面目っぽさもほんとよくて、この三人がまた絶妙にミスマッチ。この画面上のミスマッチ感が生き別れた兄弟感を演出しててそれだけで最高でした。般若でてきたのは驚きましたが、いい雰囲気出してた。篠田麻里子はなんともですが。

途中の一郎のニットがくそダサくて笑った。

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 大森南朋の芸の幅の

なんといっても、桐谷健太がすごい映画でした。

画面からも寒さが伝わってきて、いろんな人がみたらいいなと。

 

点数:90点