出典:https://natalie.mu/owarai/news/300839
キングオブコント2018
いやー、今年は特に面白かった。いい大会でしたねー。
事前にコンビが公表されない構成はなんでやろうとかいろいろ考えてたんですが、ま、それはそうかもなという決勝のラインナップ。事前に公表しても、視聴率は上がる要素ないですね。笑
なんでこんな平均的に面白いのかと思っていたのですが、その要因として大きいのは、今年からのルール改正。ネタ時間が4分から5分に1分延びたようです。コントはやはり長いほうがいいんですかね。後半尻上がりに面白くなるネタが多かったのも、時間が関係してるんでしょう。
ルール改正は他にも、決勝10組の上位5組が2回目のネタができていた昨年までと違い今年は3組まで。時間の関係でしょうが、5組観たかったなぁ。
あと、審査についてなんですが、、、。今年は特になんですけど、バナナマン、さまぁ〜ず、松本人志の5人審査体制が実質3人審査でしたね。バナナマン日村と設楽、さまぁ〜ず三村と大竹のコンビ点数がコンビだからかほぼ同じ。感性というか好みが同じなんでしょうね。絶対的に面白いものには間違いなく高得点はついているのでいいのですが、やはり好みが出るネタ時の差がね。ま、ええんやけど、もうちょっと違う人いてもいいかもとは思いました。
ということで、今年も1組1ネタごとにレビューしようかと。
1.やさしいズ/爆弾犯
やさしいズは初めて見ましたけど、ボケがいい。佐伯元輝とタイによるコンビでよしもとの8年目なんですね。ボケのタイは確かにタイっぽい。このタイのひょうひょうとした言い回しや、話の間は絶妙。「工業出てるんで」っていうところの間とか、最高。佐伯の迫真の演技もうまい。「劇団?」ってセリフがあるが、ほんとに劇団的な言い回しと、タイのゆる感じとの落差がいい。ネタさえハマればもっと面白くなりそう。今回のネタは、神バイトとしての説明に山が来てしまって、後半の展開が弱かったかな。言い回しがおもしろいコンビやから漫才やればいいのに。動きがあるセグウェイとかもそんなにおもしろくないし、会社やめて清掃員になるって気が変わる展開もおかしいし。でも初っ端としてはすばらしい。
あと、バイトなめてるし、ベロ酔いでバイトに来れるってセリフから映画「きみの鳥はうたえる」の柄本佑かよと思って、途中から柄本佑にしか見えなかった。
2.マジカルラブリー/傘泥棒
マジカルラブリーこんなちゃんとしたネタやれるんかいな。絶対コントのほうが戦場合ってる。野田クリスタルがもっと暴走するかと思ってたけど、しっかり演技してるし。村上もちょうど良い演技具合。切り取っている設定もコンビニの傘置き場ってのが新しい。ネタの終わり方もいい。ただ、タイムリープ設定なんで、最初にもっとしつこく笑えるネタ入れて、それが延々とタイムリープなら最高なんですけど。コントネタ頭なのか、下手したらキングオブコントこれからも出続けそう。
3.ハナコ/犬の声
はい来ました。ワタナベエンターテインメントの結成4年目。秋山(飼い主)、岡部(犬)、菊田(友人)の3人。初めてみましたけど、設定最高やし、そもそもうめぇし、めちゃくちゃ笑いました。もう犬の岡部がうまい。人間っぽいセリフの選択、絶妙さもさることながら、犬としての動き声の強弱つけた出し方もうまい。秋山の犬のいなし方もめちゃくちゃリアル。いらないと言われてた菊田のジャーキーあげる際のセリフもうまい。これ一回でも犬飼ったことあるやつ全員笑うやろ。すげぇのがいるわ。
あと、6人目の審査員としても注目している浜ちゃんのハナココント終わりの一言なんですけど「いいんじゃないの〜」はもう90点オーバーの一言でしょう。「お前らアホやろ」が
4.さらば青春の光/鼓舞する人
これも笑ったなぁ。めちゃくちゃ好き。ホワイトボードあったらピラミッド書いて、森田の「お前らここ」って、もうすぐにでもやりたい。同じネタを何回も繰り返しておもしろいってすごい。さらばは最初の設定が最高で、いつも後半の展開からのオチがシュンとしちゃうんですよね。今回やとどうですかね。あのピラミッドおじさんが最後までもっとテンション高いままで、やっぱり入ってきたらピラミッド書き続ける展開が観たかったなぁ。あのおじさんがピラミッドの下って言われてるのを知りながら、またハイテンションで入ってきて泣きながらピラミッド書いて泣き叫ぶ感じの。
今年が最後の出場とか言ってますけど、やめてくれー。誰も責めないので、来年も出てください。ほんとお願いします。
5.だーりんず/お会計
だーりんずね。さすがベテランやし、年相応のキャラを演じていてうまい。こんな俳優おるがな。といか、俳優やったほうがいいやろ。ただこのお会計まとめて払おうとしたら安かったってネタなんですけど、ハライチのラジオでまんま岩井さんがエピソードトークで話してたネタやったなぁ。やはりオチが弱いなぁ。
6.チョコレートプラネット/教えろ
これは今日の1・2を争うおもろネタでした。めちゃくちゃ笑ったし、ネタの構成が完璧。無視なのか聞こえていないのかわからないまま監禁された松尾がひたすら質問を叫んで、延々と質問を続ける構成。これ永遠と叫ぶ松尾もすごいけど、白眉は犯人長田の台詞回し。どもるところとか、言い直しとか、ハッハッハという笑い声の差し込むタイミング。完璧すぎる。あと「匂いは知らないわ」っていう壁を挟んだコミュニケーションの欠点を笑いにしてる点もすごい。後半の、頭の装置で松尾がセルフ拷問しだすところもしっかりおもしろいし。ラストの第三者が出てくる展開もオチにつなげるのに悪くないし。何回見てもおもろいやつ。
7.GAG/友達のバイト先
去年がひどかっただけに、なんで今年も決勝に出てきてんねんと思ったんですけど、後半の2人のやり取りに対する福井によるツッコミ展開が素晴らしかったですね。前半からやりゃええのに。前半はGAGの悪いところというか、なんやねんこれという時間が長い。よくGAGが入れがちなんですけど、最初の設定の説明なんか抜いたらええのに。もっと後半のような2人ボケ+福井ツッコミの構成で、ネタのボケとかツッコミの中で設定がわかるように構成すればええのに。しかし、GAGで初めて笑いました。
ただ浜ちゃんも「後半まくりましたね〜」って褒めてたのに、採点後の電卓のボケがクソすぎて最悪でしたね。
8.わらふぢなるお/ザ・クエスチョンマン
これね、好きです。口笛なるおの腹たつ感じと、店長のツッコミ具合ね。これ実際にやられると相当ムカつくんですけど、ムカつく具合をうまく観客に逃さず、ツッコミで受け切ってるし、「これ店長の背中ですか」あたりの質問が絶妙。これ漫才でもできそうに見えて、コント的な設定がないと成立しないんですよね。唯一なんやこれと思ったのは、オチの暗転ピンスポ。あんなのいるか?間も悪いし。最後は「今日でクビです」からの「この店をですか?」「この店をだよ」「この店というのは今僕がたっている〜」と永遠とやり取りは続く中で暗転とかでもよかったような。
9.ロビンフッド/息子の嫁
このネタすごいおもしろかったんですけど、二人ともベテランてこともあって、めちゃくちゃうまいし。ただこれ、漫才ネタですね。干支で話すあたりとか、言葉遊びで十分おもしろいし。年齢めちゃくちゃな感じも、リアリティないのが逆によかったですし。漫才でみたいなぁ。
10.ザ・ギース/物の記憶
ま、ザ・ギースはおもろいからぁな。サイコメトラーエイジ設定。しっかりおもしろい。ただ、しっかりおもしろいだけやなぁ。そんな能力あるやつを犯人である警官が呼ぶっていう設定とかもひとつよくわからんし、オチも正直好きではないです。三村がいってたとおり、犯人は警官でないほうがいい。別にコントにドラマは求めてない。なかなか売れませんねぇ。
ということで、ここで10組終了。
決勝3組なんですけど、やはりさらば青春のひかりは2回目見たかったなぁ。
決勝1組目.ハナコ/青春の追いかけっこ
いや、もうオチの「女むずぅ」で優勝決定。すごいわ。めちゃくちゃおもしろい。最初のセリフや二人の淡い青春の間から始まるやりとり。演技が上手い。花子のすごいところはコントでの動き。追いかける時のランニングマンの立ち位置は、真横でなくちょっと斜めにしてるところとか、本当にうまい。テレビでは、表情を捉える演者の正面カメラワークでしたが、舞台正面の定点の方が二人の動きがしっかり見れておもろかったと思う。さらに、菊田が出てくるタイミングもいい。
いやー、走って追いかけて、誰かわからん奴が出てきて、また追いかけて、追いついて、キスして終わるコントてなんやねん。
誰も傷つかないし、誰を下げるでもないし、変な下ネタでもない。そんでもってしっかりおもしろい。
女性の気持ち訳わからんわ!って今までに一回でも思ったことある奴は全員笑うやろ。
間違いなくハナコは売れるわ。
決勝2組目.わらふぢなるお/超能力
おもしろいんですけど、おもしろいだけやなぁ。ケンカシチュエーションから、相手の超能力に付き合う流れになるか?ってどうでもいい設定も気になるし。こういうコントは3人の方が面白いやろなぁ。かけられてる側がつっこむってのがそもそも無理ある。終盤の超能力たたみかけるとこは、ハマってればめちゃくちゃ跳ねるネタやと思うんやけどなぁ。でもわらふぢなるおはおもろかった。
決勝3組目.チョコレートプラネット/大工
これね。客席静まり返っとったがな。ハナコの優勝が冒頭で判明したネタでしたね。ロッチ現象ですね。
ということで、ハナコの優勝で終わったキングオブコント2018。ハナコに出会えた最高の大会でした。
ハナコの今後が楽しみ。