今年からサラリーマンではない状態でM-1を見ていましたので、久々に平日から感想を書いてみようかと。
今年は20回目の記念回。
結果は令和ロマンの連覇という、とんでもないものを目の当たりにさせていただきましたが、それ以外の組も素晴らしい盛り上げを見せ、正直数年休んでも良いのではないか?という集大成のような回だったかと思います。
松本人志不在でかつ、審査員が大きく変更され、人数も増えたことで芸人受けするトム・ブラウンなどが跳ねる可能性もあるなと思っていましたが、予想以上に審査員の皆さん冷静でした。哲夫が安定の滑りをみせ、ともこのそして、上戸彩がついに大人の雰囲気を醸し出してきて、歴史を感じました。おいでやす小田がずっと滑ってたのが気になりました。
今年はオリンピック年だったので、メダリストによる笑神籤。阿部一二三は、おそらくベスト体重から+10kgはありそうな体型で、スーツパンパンだったのは置いといて、どのメダリストもカメラに引いたくじを見せず、今田にだけ見えるように引く笑神籤。相当練習させられただろうなと。
さて、その笑神籤による笑いの神様の采配で選ばれた出順でネタを振り返ろうかと。
1.令和ロマン「名前」
阿部一二三のくじ運よ。このくじで今年のM-1が決まった気がしましたね。
せり上がりから、マイク前までの歩く姿、マイク前での落ち着き、雰囲気、喋り始めて自分たちの空気に持っていく姿。圧巻でした。時代に愛されている出順。しゃべくりで盛り上げていく笑い。クラスの名前配置というベタベタなあるあるネタにも関わらず、話術で会場の空気を操作しているかのよう。くるまのスタイリングも、ラスボス感を演出した肩パッドバキバキのスーツに髪型。あのアイデアは素晴らしすぎましたね。本当に自分たちの見られ方や、チャンピオンとして出る、M-1での振る舞い方が完璧すぎた。時代に愛されて、時代の流れを掴んでいました。「渡辺」だけであそこまで盛り上げる姿。完璧なトップバッター。文句なしでしょう。あっぱれでした。
2.ヤーレンズ「おにぎり屋さん」
ヤーレンズっぽさ満載のネタで、ナイスグルーヴは出ていたと思いました。ただ、直前の令和ロマンがあまりに上手すぎて、昨年準優勝だったヤーレンズは何を見せてくれるのか?という空気から、あのネタでは少し物足りなかったのかもしれませんね。昨年以上でかつ、令和ロマン以上、を求めた審査員とお客さん。を笑わせたけど、もっとほしいを満たせなかったという感じでしょうか。ネタはいいんですが、キツイことを言うなら、出井さんの平場で松本不在いじりしてたのは、空気も凍らせてたし、おもんないしで、かなりダメでしたね。あれはいかん。
3.真空ジェシカ「商店街」
この二人のネタを見るためにM-1を観ていると行っても過言ではないくらい、彼らの漫才が年々好きになっている。まず外さないし、彼らも令和ロマンと同じで、時代をとても良く見ている。時事漫才をやっているわけではないが、時代を掴んでいる。そのうえで、一つも外さない大喜利漫才。構成も素晴らしいし、ずっとこの二人の漫才を見ていたい。
4.マユリカ「同窓会」
正直、この出順だと、4番目が一番かわいそうだと思いました。めちゃくちゃなネタをやるような組が来て流れを変えないと。トム・ブラウンがハマるならこの4番目だったと思います。
マユリカの二人が面白いのは、もうみんなわかっているし、メディア露出も十分。ただ、この前の3組を超えるネタはないだろうなとは思いながら見ちゃってました。予想通り、めちゃくちゃマユリカだったんですが、もっとアホなマユリカネタでもよかったのではないか?とは思いました。舞子でも良かったと思うんですが、姑のネタとかが見たかったなぁ。「大急ぎで負けに来た」は平場のコメント優勝でした。
5.ダイタク「双子/ヒーローインタビュー」
マユリカと同じですが、正統派すぎる二人の双子漫才はもうちょっと後だったかもですね。鬼強いネタがあるのでは?と予想していたのですが、めちゃくちゃ自己紹介的なネタやっちゃったなぁ、と思いました。去年のシシガシラ的な。打ち上げで話していましたが、3本用意していて、直前までなんのネタをするか悩んだうえで、一番安牌の1本を選んだと。多分、そういうとこでしたね。もっとカマしてほしかったです。
6.ジョックロック「手術」
挨拶後の妙な間が気になったり、「病院が近い」がぜんぜんフリにもなってなかった訳わからなさもありますが、9位とは思えないくらい強い印象を残したのではないかと思います。長髪のゆうしょうの声も顔もいいし、ゆうじろーの堂々している姿が素晴らしかった。ゆうじろーの平場慣れは強い。顔もいいし、華があるし、声もいいし売れる要素満載。ゆうしょうの膝カクカクツッコミ、今年小さく流行る気もする。楽しみやなぁ。
7.バッテリィズ「名言」
2年前からバッテリィズを追いかけていました。
バッテリィズは、オードリーの若林が言ってたブラマヨとかチュートリアルのような人間性が溢れる漫才してて、好感しかない。
— 顕太郎 (@kentaroll) November 16, 2022
マジで決勝で見たい。
悩んだことがないバッテリィズのエースの格言は沢山あるので、ホント「ニン」に大ハマリしたいいネタだと思います。哲学者に対しての「呼んで来い、楽しませてやるから」はエースすぎる。しかし、ここまでハマるとは全く思ってませんでした。特に、2年前から思ってたんですが、若林は大好きな漫才やろうなと。決勝で見られて、それも1位になる姿が見られて、感動しました。問答無用で売れますね。
8.ママタルト「銭湯」
ママタルトも正直、爆発はないだろうなと思いながら見ちゃいました。おもしろいんですけどね。前回り受け身のクダリ、小さい劇場なら受けるんだろうなと思いました。
9.エバース「桜の木の下」
いやぁ、来年優勝だと思いました。うますぎるし、構成も完璧やし、二人華があるし。ブラックマヨネーズを彷彿とさせるやり取り。彼らには、いいネタがいっぱいあるから、もう何も言う事ない。平場も完璧。禁煙のネタも見たかったなぁ。ともこ姐さんの点数が跳ねなかったのは、小難しい話きらいなんかなとは思いました。
10.トム・ブラウン
みちおの顔色が悪すぎて、内臓大丈夫かとおもいましたが、最後の出順で、スプラッターネタをやる二人に涙流して笑っちゃいました。お茶の間に理解されなくても、点数が入らなくても、トム・ブラウンがここでこれをやったことが素晴らしい。しかし、疲れてたなぁ。
という感じで、素晴らしい10組による、10個の漫才が見られて、大満足。もうこの時点で、久々の大成功回が確定したなと感じました。言葉を選ばず書くと、去年が盛り上がりが弱く、つまらなかったので・・・。バッテリィズがまさかの1位で、出順どうするのかなと思いました。同じ構成の漫才だと、1番目選んだほうがええやろなと思いましたが、3番目でしたね。
審査員のコメントもとても人柄が出ていてよかった。ともこ姐さんがちょっと緊張していたのか、間がおかしかった気はしましたが、山田邦子と上沼恵美子の役割をしっかりしていて素晴らしかったです。哲夫が長いコメントの割にダダ滑って、打率があまりに低すぎたので、今田さんもっとツッコミで哲夫を攻めないとダメですね。柴田の点数付けがとても好みでした。
真空ジェシカ「巨大ピアノのアンジェラ・アキ」
この日の漫才で、一番笑いました。もう最高すぎて、優勝しないでくれ!来年もまた出てくれ!と思っちゃいました。正直、優勝するのかと思ってしました。
令和ロマン「戦国時代」
くるまがあまりに上手すぎる。これは、文句なしな気がしました。
バッテリィズ「世界遺産」
ちょっとネタが弱かった気がします。このネタも知ってましたので、これやんのかと思っちゃいました。
エースが「飯食ってよく寝ろ!」と、現代の考えすぎる人間に対する説教賛歌のような漫才が見たかったです。
ということで、大盛りあがりしたM-1。
令和ロマンがめちゃくちゃ嬉しそうな様子を見せていて、私も嬉しくなりましたし、大満足のM-1でした。
一旦、M-1休止してもいいのでは?と思わせるような回だったとおもいます。
点数 100点