炙るあざとさ 炙らない正直さ

刺身とか映画とかあれとかそれ

(特別編)The Get Down(ゲットダウン)

f:id:kentaroll:20161025170342j:plain

出典:バズ・ラーマン監督がヒップホップ誕生の瞬間描く「ゲットダウン」劇中カット公開 - 画像1 : 映画ニュース - 映画.com

 

THE GET DOWN

今日は、友人から勧められたNetFlixオリジナルドラマ「The Get Down」。
クソ最高ですね。
HipHop好きにはたまりませんし、1970年代という時代感の描き方がまたいい。このころのニューヨークの姿や、時代背景、治安、人種とそこに絡んでくる音楽。この音楽が大きな軸となり、物語は動くのだが、その音楽がくっっっっそいい。めちゃくちゃかっこいいい。
監督は、バズ・ラーマン。他の映画観たことないんですが、「ジョン・カーニーの音楽映画に外れ無しの法則」のように、バズ・ラーマンが描くHIP HOPに間違いなしと、宇多丸師匠もおっしゃってました。
主人公のどうしようもない童貞感とか、才能を感じさせる言葉運びもすばらしく、話に引き込ませる力がある。
ヒロインの口の大きさも歌の上手さと比例しているし、観ているうちにその口も可愛くみえてくる。この子の歌ってるシーンの色っぽさとかも白眉。
グランドマスターフラッシュだとか、シャオリンとか脇役の色も濃いし、ヒロインのお父さんがブレイキング・バッドのガス・フリングだとか、いろいろ好き要素が多くてね。
とりあえず、続きが早く見たいのでございます!!!

 

点数:93点

(49)聖の青春【試写会】

f:id:kentaroll:20161017230150j:plain

出典:聖の青春 : フォトギャラリー 画像(7) - 映画.com

 

 聖の青春

原作小説 大崎善生著『聖の青春』が好き過ぎて、2016年公開映画の中では最も楽しみにしていた映画でございます。

何よりも先に観たくて試写会に応募しまくり、当選。先日行って参りました。

公開前のタイミングでここに書くか迷って寝かしてたんですが、やっぱり感想は書こうかなと。

 

この映画は松山ケンイチです。

松山ケンイチに尽きる。もう、何よりもすごいです。あの村山聖がそこにいた。

そして、松山ケンイチにつられて、周りの役者もすごいことになっていた。東出昌大染谷将太

将棋の対局シーンも素晴らしい。

命を削って指す駒の重さがこちらにも響いて来る。

とにかく演者がすごい映画です。

 

映画化まで丸8年かかったそうで、この監督さん原作小説と棋士 村山聖には相当思い入れがある様子でした。

正直、、、、、それが映画には逆効果に働いてしまっていると感じました。

原作をおそらく何百回と読み込まれたことでしょう。それにより、映画での表現が極限まで削られている。ナレーションもほぼないし、音楽も少ない。

説明に頼らず、役者に任せたかったのもわかります。この映画はそれくらい演者がいい。

しかし、それでは村山聖は描ききれんと思います。

あまりに説明が足りなさすぎる。

監督は編集中に、勝手に小説で描かれた説明の補正が脳内で行われていたのではなかろうか。

物言わぬ村山聖の脳内は、誰かが語りで補完すべきなのは間違いない。

そうしないと、ただの独りよがりで、破天荒な生活をして、病気しても仕方がないような男としてみえてしまう。(実際の妻の感想)

小説でも特に印象に残る水道の水滴のくだりなんてまさしく。聖の生きることに対する思いがわかるあんなにいいエピソードは、映画でもわかりやすく描いて欲しかった。

公開までの間に再編集かナレ入れしたほうがいいと思うくらい。こう思うのも最後の方にナレが入るから。最後のナレ入れでイイ声してた、原作者役?の筒井道隆でいいですよ。それだけでもっともっと良くなる。ぜったい。

それくらい出ている演者がすごいから。

原作を読んでいた僕は、脳内説明補正があったんで、泣けました。

ただ、一緒に行った涙もろいが原作未読の妻は泣けず。村山聖の気持ちがわからなかったとのこと。うぅぅぅ、、、悔しい。とてつもなく惜しい気がする。

もっと正直に言うと、予告編のほうが泣けた。

このロジックで言うと、予告編を作った人は無知でその中からわかりやすいシーンでしっかりと説明も入れて作り込んだ。

監督。もっと良くなると思う。この編集じゃないと思う。

ただ、ただ、ただ、ただ、それでもなんでも、松山ケンイチがすごいから、絶対に観るべきです。

松山ケンイチに95点あげますが、映画がいろいろ惜しいので、この点にします。

 

点数:79点

 

とりあえず、原作小説は100億満点のおもしろさと、村山聖の魅力が詰まりまくって、将棋なんか知らなくてもクッッッッッソ最高なんで、絶対に読んだほうがいい。

 

 

 

聖の青春を読む人生と読まない人生なら オレは読む人生を選ぶ。

 

 

(48)SCOOP!

f:id:kentaroll:20161003124643j:plain

出典:SCOOP! : フォトギャラリー 画像(2) - 映画.com

 

SCOOP!

面白い。

芸能スクープを追いかける中年パパラッチこと都城静(福山雅治)と、そこへ飛び込む新人行川野火(二階堂ふみ)が雑誌「SCOOP」を軸に織り成すおはなし。

この映画、演者が皆さん味があってかなり良いです。二階堂ふみ滝藤賢一、吉田羊、リリー・フランキー。しかし、この映画は主役 福山雅治がいい!

だらしなさそうやけど、やることはやりそうな雰囲気の醸し出し方。わざとらしすぎるくらいの演技。相手がちょっといやがりそうなライトな下ネタを出すセンス。

月9のラヴソングが若干似たような、もうちょっとまじめな役でしたが、あれがもう全然ダメだったんで、正直期待してませんでしたが、この映画の都城静役の福山雅治はキテましたね。

福山雅治がラジオでだけ出してた下ネタ言う雰囲気とかわかってる人はわかってるし、そこを狙う大根仁監督はやはりうまい。大泉洋じゃ全然ダメやし、キャスティングセンスが光ってる。おそらく芸能界を観客目線でとらえられてる稀有な映画人。

リリー・フランキーのチョロ源役の怪演もすごかったんですが、最後、都城がチョロ源とあることをきっかけに街中を歩き回るシーンなんか、何ともいえない表情で連いて歩く福山雅治の顔や言葉のセンスとか、あのシーンはめちゃくちゃ上手い!と唸りました。

結構笑えるし、激安居酒屋の晩杯屋が出る感じ、打ち上げのめちゃくちゃありそうな雰囲気、風俗店のやりとりとか、大根監督の良さ満開だったと思います。

正直、これドラマでみたかったなぁと思いました。1ネタ1話いけると思います。

映画だと時間の制限もあるせいか、最後がちょっと唐突かなぁと。

しかし、観る価値ありの、「怒り」に続いて必見の一作ですね。

 

点数:86点

(47)怒り

f:id:kentaroll:20160925162347j:plain

出典:怒り : フォトギャラリー 画像(2) - 映画.com

 

怒り

思わず題字大きくしてみました。

重い映画ですが、観る価値はかなりあります。

おそらく、日本の現役俳優でできる最高峰のシリアスドラマ。

この映画を簡単に言えば、松山ケンイチ綾野剛森山未來、この3人のある共通点と、それをフックに様々な場所で沸き起こる人間ドラマ。そして、その3人をとりまく、渡辺謙宮崎あおい妻夫木聡広瀬すず、佐久本宝。

これらいずれかの俳優が演じる誰かに、ついつい自分を重ねてしまうような映画なのかも。こいつも、こいつも、こんな一面自分にもあるかも。

「怒り」というタイトルですが、映画全体を通して浮かぶ文字は「疑い」。

怒っているのは誰なのか。全員なのか。ならお前は誰に対して怒っているのか。世間、近所の人たち、生まれた環境、沖縄、家庭環境、家族、、、、怒りってなんなんだよと。と、ほんとにいろいろと考えてしまう。

ぜひ見ていただきたいですね。

演技はもう文句の言いようがないです。特に素晴らしいのが、このなかで新人と言われる佐久本宝くん。彼がいい。

もちろん、渡辺謙の田舎のダメお父さん感、妻夫木聡の感情表現、宮崎あおいのアホ感、などなど当たり前のようにすごい人はとりあえず置いておいても、彼はいい。特に目がいい。演技もすばらしいし、助演男優賞あげたい。広瀬すずも尻上がりでかなり良くなっていて最高でした。

あと、登場人物全員が暑そうで、汗ばんでいて、若干脂っぽい肌感をまとっている。さらっとした肌感の人間なんて出てこない。そんなところにもリアルを感じられるいい映画でした。

ただ、全体的に綺麗にまとまりすぎていて、なにか一つ映画に異物が欲しかった。シナリオなのか、人なのか。強烈な気になるような映画のコアになるなにかなのか。それがなかった気がする。おそらく、この映画を語る多くの人が、演技について言及すると思うが、そんなことは映画ではあまり語ることではないような気がする。あのシーン、キャラが強烈で!と語りたいんですよね。

重い映画なのに、綺麗すぎてサラっと観てしまったから、立ち上がれなくなるくらいのもうワンパンチがほしかったっすね。

あと、高畑充希はいらねぇよあそこに。

しかししかし、日本映画の未来は明るい!

 

採点:89点

(46)超高速!参勤交代リターンズ

f:id:kentaroll:20160919103254j:plain

出典:超高速!参勤交代 リターンズ : フォトギャラリー 画像(7) - 映画.com

 

超高速!参勤交代リターンズ

前作から続いて、相変わらずのいい雰囲気を全編通して貫いている。

この映画の素晴らしいところは、徹底的なアホらしさ。それがあるゆえに、どんな真面目なシーンも笑える。

急におっぱじまる殺陣やアクションも昔ながらの時代劇的で懐かしいし。

味方の剣術の最強度合い、わかりやすい悪役はまさしくギャグ的で、アメコミっぽさも感じられる。

特筆すべきは、古田新太。120点満点。ほんとに、最高。真面目にやればやるほど笑えるを体現している役者やと思う。

ほんと、最&高

いい感じでシリーズ化して、ダラダラみたい映画っすね〜。

 

点数:84点

(45)君の名は。

f:id:kentaroll:20160914003430j:plain

出典:君の名は。 : フォトギャラリー 画像(20) - 映画.com

 

君の名は。

面白いです。

脚本もいいですし。

特にアニメが美しい。

ワクワクもするし、デートとかには最適の映画だと思います。
設定的なツッコミどころも多いですが、映画全体を包み込む雰囲気で何もかも許せる感じ。感想的にはそんな感じ。

気になる点は、演出だと、

動いてる引き戸や電車の扉の下部をやたらアップにして、戸や扉の閉まる瞬間を映すシーンがよく挟み込まれてました。おそらく何らかの意図があると思いましたが、2人のシーンが変わるわけでもなく、よく理解できなかったですね。閉じ開きの差があったかもですね。どういう意図の演出やろ。

気になりすぎて、画が綺麗でも許せなかった2点。

1つは、冒頭の歌とともに始まるアニメ風オープニング部分。

ちょっと後半を示唆するシーンがあって、映画見ながらネタバレされた感が許せなかったですね。

2つめは、東京駅から岐阜方面に向かっているときの新幹線の3列シートの向き。東京駅からはありえない上り方面になっている。景色を美しく描く技術は忠実で優れているのに、こんなところで間違えるかと。なんでこんなしょーもないミスを。架空の世界の話ならいいけど、東京から岐阜に行く行程もしっかり描写されてる(名古屋の乗り換えシーンとかかなりいい)中で、あのミスはない。フィクションだというアピールだと示唆しているという人もいるが、アニメやからそもそもフィクションやんけ。

名古屋で降りるつもりが乗り過ごして京都駅から名古屋に戻っているならわかるけど、ないか。

ま、でもいい映画でした!

 

点数:87点

(44)アントマン

 

f:id:kentaroll:20160912124205j:plain

出典:アントマン : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

アントマン

あまり手を出してこなかったアメコミもの。
いろんなシリーズが、五月雨式に出てくる理由がわかりました。
ストーリーがうまいし、面白い。
ドラえもんキテレツ大百科とか日本を始めいろんなところでやり尽くされたモノではあるが、「脅威となる発明」というアメリカらしい視点で、映画に違和感なく落とし込んでいた。
対立要素もしっかりと構成し、わかりやすい悪を描く。
おバカキャラも忘れずに配置されていて、かなり楽しい映画です。
ポール・ラッドのアクションもいいが、ハカセの娘役であるエバンジェリン・リリーのアクションと美しさが最高っす。ちょうどいい美貌。
知らないんですが、他シリーズのアベンジャーズとのくだりもあり、
もっとアメコミモノを観たくなりましたね。
 
点数:87点