炙るあざとさ 炙らない正直さ

刺身とか映画とかあれとかそれ

(48)SCOOP!

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出典:SCOOP! : フォトギャラリー 画像(2) - 映画.com

 

SCOOP!

面白い。

芸能スクープを追いかける中年パパラッチこと都城静(福山雅治)と、そこへ飛び込む新人行川野火(二階堂ふみ)が雑誌「SCOOP」を軸に織り成すおはなし。

この映画、演者が皆さん味があってかなり良いです。二階堂ふみ滝藤賢一、吉田羊、リリー・フランキー。しかし、この映画は主役 福山雅治がいい!

だらしなさそうやけど、やることはやりそうな雰囲気の醸し出し方。わざとらしすぎるくらいの演技。相手がちょっといやがりそうなライトな下ネタを出すセンス。

月9のラヴソングが若干似たような、もうちょっとまじめな役でしたが、あれがもう全然ダメだったんで、正直期待してませんでしたが、この映画の都城静役の福山雅治はキテましたね。

福山雅治がラジオでだけ出してた下ネタ言う雰囲気とかわかってる人はわかってるし、そこを狙う大根仁監督はやはりうまい。大泉洋じゃ全然ダメやし、キャスティングセンスが光ってる。おそらく芸能界を観客目線でとらえられてる稀有な映画人。

リリー・フランキーのチョロ源役の怪演もすごかったんですが、最後、都城がチョロ源とあることをきっかけに街中を歩き回るシーンなんか、何ともいえない表情で連いて歩く福山雅治の顔や言葉のセンスとか、あのシーンはめちゃくちゃ上手い!と唸りました。

結構笑えるし、激安居酒屋の晩杯屋が出る感じ、打ち上げのめちゃくちゃありそうな雰囲気、風俗店のやりとりとか、大根監督の良さ満開だったと思います。

正直、これドラマでみたかったなぁと思いました。1ネタ1話いけると思います。

映画だと時間の制限もあるせいか、最後がちょっと唐突かなぁと。

しかし、観る価値ありの、「怒り」に続いて必見の一作ですね。

 

点数:86点

(47)怒り

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出典:怒り : フォトギャラリー 画像(2) - 映画.com

 

怒り

思わず題字大きくしてみました。

重い映画ですが、観る価値はかなりあります。

おそらく、日本の現役俳優でできる最高峰のシリアスドラマ。

この映画を簡単に言えば、松山ケンイチ綾野剛森山未來、この3人のある共通点と、それをフックに様々な場所で沸き起こる人間ドラマ。そして、その3人をとりまく、渡辺謙宮崎あおい妻夫木聡広瀬すず、佐久本宝。

これらいずれかの俳優が演じる誰かに、ついつい自分を重ねてしまうような映画なのかも。こいつも、こいつも、こんな一面自分にもあるかも。

「怒り」というタイトルですが、映画全体を通して浮かぶ文字は「疑い」。

怒っているのは誰なのか。全員なのか。ならお前は誰に対して怒っているのか。世間、近所の人たち、生まれた環境、沖縄、家庭環境、家族、、、、怒りってなんなんだよと。と、ほんとにいろいろと考えてしまう。

ぜひ見ていただきたいですね。

演技はもう文句の言いようがないです。特に素晴らしいのが、このなかで新人と言われる佐久本宝くん。彼がいい。

もちろん、渡辺謙の田舎のダメお父さん感、妻夫木聡の感情表現、宮崎あおいのアホ感、などなど当たり前のようにすごい人はとりあえず置いておいても、彼はいい。特に目がいい。演技もすばらしいし、助演男優賞あげたい。広瀬すずも尻上がりでかなり良くなっていて最高でした。

あと、登場人物全員が暑そうで、汗ばんでいて、若干脂っぽい肌感をまとっている。さらっとした肌感の人間なんて出てこない。そんなところにもリアルを感じられるいい映画でした。

ただ、全体的に綺麗にまとまりすぎていて、なにか一つ映画に異物が欲しかった。シナリオなのか、人なのか。強烈な気になるような映画のコアになるなにかなのか。それがなかった気がする。おそらく、この映画を語る多くの人が、演技について言及すると思うが、そんなことは映画ではあまり語ることではないような気がする。あのシーン、キャラが強烈で!と語りたいんですよね。

重い映画なのに、綺麗すぎてサラっと観てしまったから、立ち上がれなくなるくらいのもうワンパンチがほしかったっすね。

あと、高畑充希はいらねぇよあそこに。

しかししかし、日本映画の未来は明るい!

 

採点:89点

(46)超高速!参勤交代リターンズ

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出典:超高速!参勤交代 リターンズ : フォトギャラリー 画像(7) - 映画.com

 

超高速!参勤交代リターンズ

前作から続いて、相変わらずのいい雰囲気を全編通して貫いている。

この映画の素晴らしいところは、徹底的なアホらしさ。それがあるゆえに、どんな真面目なシーンも笑える。

急におっぱじまる殺陣やアクションも昔ながらの時代劇的で懐かしいし。

味方の剣術の最強度合い、わかりやすい悪役はまさしくギャグ的で、アメコミっぽさも感じられる。

特筆すべきは、古田新太。120点満点。ほんとに、最高。真面目にやればやるほど笑えるを体現している役者やと思う。

ほんと、最&高

いい感じでシリーズ化して、ダラダラみたい映画っすね〜。

 

点数:84点

(45)君の名は。

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出典:君の名は。 : フォトギャラリー 画像(20) - 映画.com

 

君の名は。

面白いです。

脚本もいいですし。

特にアニメが美しい。

ワクワクもするし、デートとかには最適の映画だと思います。
設定的なツッコミどころも多いですが、映画全体を包み込む雰囲気で何もかも許せる感じ。感想的にはそんな感じ。

気になる点は、演出だと、

動いてる引き戸や電車の扉の下部をやたらアップにして、戸や扉の閉まる瞬間を映すシーンがよく挟み込まれてました。おそらく何らかの意図があると思いましたが、2人のシーンが変わるわけでもなく、よく理解できなかったですね。閉じ開きの差があったかもですね。どういう意図の演出やろ。

気になりすぎて、画が綺麗でも許せなかった2点。

1つは、冒頭の歌とともに始まるアニメ風オープニング部分。

ちょっと後半を示唆するシーンがあって、映画見ながらネタバレされた感が許せなかったですね。

2つめは、東京駅から岐阜方面に向かっているときの新幹線の3列シートの向き。東京駅からはありえない上り方面になっている。景色を美しく描く技術は忠実で優れているのに、こんなところで間違えるかと。なんでこんなしょーもないミスを。架空の世界の話ならいいけど、東京から岐阜に行く行程もしっかり描写されてる(名古屋の乗り換えシーンとかかなりいい)中で、あのミスはない。フィクションだというアピールだと示唆しているという人もいるが、アニメやからそもそもフィクションやんけ。

名古屋で降りるつもりが乗り過ごして京都駅から名古屋に戻っているならわかるけど、ないか。

ま、でもいい映画でした!

 

点数:87点

(44)アントマン

 

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出典:アントマン : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

アントマン

あまり手を出してこなかったアメコミもの。
いろんなシリーズが、五月雨式に出てくる理由がわかりました。
ストーリーがうまいし、面白い。
ドラえもんキテレツ大百科とか日本を始めいろんなところでやり尽くされたモノではあるが、「脅威となる発明」というアメリカらしい視点で、映画に違和感なく落とし込んでいた。
対立要素もしっかりと構成し、わかりやすい悪を描く。
おバカキャラも忘れずに配置されていて、かなり楽しい映画です。
ポール・ラッドのアクションもいいが、ハカセの娘役であるエバンジェリン・リリーのアクションと美しさが最高っす。ちょうどいい美貌。
知らないんですが、他シリーズのアベンジャーズとのくだりもあり、
もっとアメコミモノを観たくなりましたね。
 
点数:87点

(43)超高速!参勤交代

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出典:超高速!参勤交代 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

超高速!参勤交代リターンズ」が9月10日に公開されるとのことで、まだ観賞していない本作を鑑賞。

 

超高速!参勤交代

 

いやはや、おもしろい。

ベタベタではあるが、映画方程式を守れていて、ストーリー・脚本が映画的に上手くまとまっている。

基本が守れていると、演技の雑さとか妙な設定もあまり気にならなくなる。

安いワイヤーアクションもわざと安っぽく使っている感じで、アクセントになっておもしろい。

なにより殿が強いのがもうめちゃくちゃでいい。

佐々木蔵之助がまた田舎の殿様的で、強そうな感じも匂わせてかなりのはまり役。

こんな感じの映画は、これくらい思いっきりふざけて、自由に振り切ったほうが良いですね。

この映画はふざけ具合も、気にならない程度で良いし観てて楽しかった。

何回か笑えたし。

こりゃリターンズも観に行きますか。

 

点数:85点

(特別編)第10回高校生RAP選手権in日本武道館 観てきました

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出典:第10回 BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権 in 日本武道館|スカパー!の“おまけ”チャンネル BSスカパー!(BS241)

 

昨日、2016年8月30日(火)。

日本武道館へ第10回高校生RAP選手権を観に行って参りました!!!

ので、簡単にレポを。

 

マジで、最高のイベントでしたね。

 

 この一個前の記事は映画「野火」の感想って、我ながらブログの振れ幅がね。。。

 

BSスカパー! BAZOOKA!!! 第10回高校生RAP選手権 in 日本武道館

 第1回から大好きなこの企画。

恵比寿で行われた第3回と、有明での第6回も観に行ったくらい高校生RAP選手権ヘッズです。今回で生観戦は3回目。

 

記念すべき第10回はオールスター戦ということで、見逃せない!絶対行きたい!と嫁と二人で参戦。

 

出場者、思い入れのある参加者ばかりですよ。

 

T-PABLOW(第1,4回優勝)
YZERR(第5回優勝)
MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻(第6,7回優勝)
LEON a.k.a 獅子(第8回優勝)
裂固(第9回優勝)

投票1位:言xTHEANSWER(第7回準優勝)
投票2位:RACK(第5回準優勝)
投票3位:Lick-G(第9回準優勝)
投票3位:ANATOMIA(第7回出場)
投票5位:写楽(第9回出場)
投票6位:Rude-α(第6回準優勝)
投票7位:EINSHTEIN(第4,5,7回出場)
投票8位:Icerey(第7回出場)
投票8位:じょう(第6回出場)
投票8位:Ry-lax(第3,5回出場)
投票8位:R'kuma(第9回出場)

 

一部よくわからない選手もいましたが、このメンツ、もう楽しみしかないですよね。

 

ニガリなんかは第3回の時に、恵比寿会場のトイレで一緒になって、こいつ田舎くさいやっちゃな~と思ってたら、ステージ上ではバチバチにかましてきて一瞬で心奪われましたし。

それからどんどん太りながら上手くなっていって、親みたいな感覚で観てますよね。あの憎めない田舎くささ。

30kg増は正直管理が出来てなさ過ぎですが。笑

バズーカの予告番組みたら、親指みたいでしたし。

 

ということで、いざ日本武道館

17時開演。

仕事を途中抜けして、武道館までダッシュしまくってギリギリ17時着。

 

MTVや電通さんから送られた花を横目に見ながら、会場へ。

席はスカパー特番後の電話でチケ予約したので、アリーナ!

場所最高でしたね。

 

会場内は、高校生RAP選手権ヘッズで埋め尽くされ、10代の数が圧倒的に多い。そしてちょっと悪そうな感じ。ほんとちょっとだけ。

31歳の私も自称お兄さんといってますが、本日ばかりは完全におっさん。

 

「ティパブマジ生で観れるとかホントやばいんだけど」

「アンサー今日はかなり期待してんだよね」

「マジで1回戦からアガるよね」

 

まわりのヘッズたちによる会話もどこかおもしろい。

一部友人・嫁を除いては、会社や周りには高校生RAP選手権話が出来る人なんていないので、聞き耳たてるだけで楽しい。会話に入りたい。。。

 

そんな雰囲気は会場の外も同様だったそうで、先に到着していた嫁は、周りの雰囲気に怖じ気づいて会場に入れなかったそう。笑

 

OPENING

暗転とともに、8000人のヘッズが歓声をあげる。

ガチガチに盛り上がってます。

会場全体から待ってましたオーラが発せられ、熱気がすごい。

 

オープニングは、RG&D.Oによる注意喚起映像。

やはり笑わせる。いちいちいい反応をするヘッズ達。

やっぱりD.Oは最高ですね。

途中からちゃんみなも登場し、会場もさらに温度上昇。

ラストは映像内からの呼びかけで、直接LIVEタイムへ!!

 

LIVE

我らがキングオブステージRHYMESTER

イヤー、久々に生で観たんですけど、アガりましたね。

さすがキングオブステージ。煽りが上手い。

B-BOYイズムを3曲目あたりにもってきて、10代ヘッズも、日本のHIP HOP必修科目といえるこの曲はおさえているようで、周りの女子まで一緒に歌ってました。

ま、私が一番飛び上がってテンション上がってましたが。

 

第10回高校生RAP選手権トーナメント

トーナメントの煽り映像からスタート。

これがまためっちゃくちゃかっこよかった。

 

BAZOOKAのスタッフはこういった映像制作のセンスがすごいっすね。

全盛期のPRIDEの煽り映像Dである佐藤大輔氏も、昔はBAZOOKAスタッフに名を連ねてましたが、そのDNAを完全に感じます。

高校生MCの紹介VTRも毎回大好き。

 

そして、小籔さん率いるBAZOOKA出演者陣+審査員の方々登場。

そこにはまさかの真木蔵人が!!

復帰なんですね!やはりこのイベントには必要でしたね。

 

小籔さんの、高校生をお子様扱いして笑わせにいくコメントと、真木さんの、高校生であっても各MCにリスペクトさえ感じさせるのコメントのバランスが非常によくて、このイベントはうまく成り立っていると思っているので、世間はどうあれ、やっぱりこのイベントには最高のコンビです。

 真木さんには、女性へ手を出したらあきませんでと念を送っておきました。

 

総勢16名の登場により、会場はガッチガチに盛り上がりをみせました。

 

第一回戦

あんまり詳細を書いて、9月26日(月)のBAZOOKA放送を楽しみに出来なくなる方々もいらっしゃると思いますので、詳細は省略します!自分の目で観るべし!

 

結果もいろんなところで漏れてると思いますが・・・・

 

率直な感想を言いますと、、、

過去最高のトーナメントでしたね。

 

それぞれがスキルを高めてきて、研鑽しあう。

8000人ものオーディエンスの前でもブレずにパフォーマンスを行う若いMC達。

おじさん感動しましたよ。

 

ベストバウト

ベストバウトだけ上げておきます。

 

おそらく満場一致で、

第一回戦 7試合目 MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻 VS Rude-α

 でした。

 

もう、これが高校生RAP選手権ってバトルでした。

判定後、二人のバトルを讃え、会場内から大きな拍手が自然と沸き起こりました。鳥肌立ちましたね。おじさんこういうバトルが観たいんですよ。

首かっ切ったり、三枚おろしとか、殺すとか、なんかやめましょうね。

 

こういうケミストリーが起こるから、高校生ラップ選手権大好きなんですよね~。

 

まじで、めっちゃくちゃ面白かったです。

次は東北でやるみたいですね!

 

高校生RAP選手権出場者 BIG UP!

 

点数:95点