炙るあざとさ 炙らない正直さ

刺身とか映画とかあれとかそれ

(特別編)2017 俺の新作シネマランキング BEST 10

f:id:kentaroll:20171231073858j:image

2017年は年初に60本映画観る。と目標を立てるも、後半失速しまして、結果50本で着地。そん中から2017年公開の新作ベスト10をざっくりと決めましたが、明日にはまた気分が変わっているかも。※作品横の数字は、映画を観た当初の採点。年間ランキングは後に残ったかどうかも考慮しているため、参考程度に。

 

10.イップマン 継承 88

ドニー兄貴も歳とったけど、クールカンフームービーはやめないで欲しい。やはり詠春拳の連打は最強ですよ。奥さんの前で、木人椿のカコカコ鳴らしながら練習するシーンは、泣いたなぁ。

 

9.ゲットアウト 87

あんまりスリラー系は観ませんが、これは面白かった。ドキッとさせるシーンで、隣の人が椅子から飛び上がって驚いてて、それ今でも思い出し笑いする。

 

8.三度目の殺人 91

日本の演技の最高峰が観られる素晴らしい1本。息子さんがやらかしちゃった橋爪功が特に素晴らしい。名優。あの人はもっと俳優してほしい。この映画の「真実なんて誰もわからない」というテーマ性を、日馬富士の事件見るたびに思い出す。

 

7.メッセージ 89

ただただ好き。宇宙人ものが好きやし、言語を科学的に分析するとかも大好き。時間軸も多次元的に入り組んだりして、映画に漂う雰囲気もよかった。最後泣いたなぁ。

 

6.HiGH & LOW THE MOVIE2 END OF THE SKY 91

最高オブ最高。ハイローシリーズはこれだけ観ればOK、と勧められるくらい最高。ジェシーコブラの喧嘩アクションシーンが日本映画史に残るアクションシーン。あと、マイティーウォーリアーズのライブシーンは世界一。

 

5.帝一の國 91

 今年イチのナーメテータームービー。クソ映画かなと思って観たら、今年映画館で一番笑った映画に。脚本もいいし、俳優も振り切ってるし、演出もいいし。応援上映も行ったし、菅田将暉好きになったなぁ。

 

4.ムーンライト 89

渋谷で観たあと歩いたなぁ。いろいろ考えたし、残ってる映画。印象に残る肌の色ムービー。

 

3.ドリーム 90

ただただ面白い。ファレルの音楽も最高。ドリームのキャストと結構かぶっててる。裁判官とのやりとりがあるシーンとか大好き。NASAが残業しないのが印象に残ったなぁ。笑

 

2.沈黙 サイレンス 93

映画館で「あぁ、これが映画や。あぁ、おもしれぇ。この雰囲気、空気感。あぁ名作。」となった映画。宗教映画が大好きなこともあるけど、めっちゃ嫁さんと語り合った一作でした。めっちゃいい映画。名作。

 

1.BABY DRIVER 94
冒頭5分で脳汁ドパァ〜してからの「カッコ良過ぎるやろおい!」って立ち上がりたくなった最高の1本。とにかくカッコいい。音楽ここまで使うかと。何回も観たいし、今後この映画真似してくる映画たくさん出て来そうやなぁ。大好きな一本になりました。


【次点】

ビジランテ 90

入江悠監督グッドでした。


・22年目の告白〜私が殺人犯です〜88

これも入江悠監督グッドです。面白かったし、結構好き。


・サバイバル・ファミリー 86

淡々と描くリアルな描写がすごい嫌な気分にさせたけど、それが良かった。予告がテイスト違い過ぎ。


散歩する侵略者 82

これも変な映画やけど、好きやったなぁ。

 

以上!

パターソンとアトミック・ブロンド見逃したのが痛い。早く配信されて欲しい。

来年こそ60本観る!

 

 

(82)ビジランテ/地方で生きるということ

f:id:kentaroll:20171209200711j:plain

出典:ビジランテ : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

ビジランテ

ちょっとネタバレ入ってるかもなのでお気をつけて読んでください。

入江悠監督によるオリジナル脚本作品。大森南朋鈴木浩介桐谷健太の主演で、入江監督の地元である埼玉県深谷を舞台に地方都市特有の暗部を描いていく。

ビジランテ : 作品情報 - 映画.com

 

この作品の中には、日本の地方に漂う独特な嫌な空気感が嫌というほど、溢れてる。

やたら殴るオヤジ。ショッピングモール。相続。市議会レベルでのしょうもない出世争い。それに命をかけてる馬鹿。工場で働く低賃金労働者の中国人コミュニティ。それを理解できない自警団。自警団のださいユニフォーム。デリヘル。偉ぶるチンピラ。路面店焼肉屋。ショッピングモール。くそじじい。くそじじい。くそじじい。全員が全員視野が狭い。マジで狭い。小さい。埼玉の町で偉ぶることのくだらなさ。この小さいようで大きいコミュニティは日本中に溢れてる。

この映画で象徴的な川のシーン。少年時代に渡ったのは、長男の一郎のみ。その一郎だけが町を抜け出して、生活を送っていた。「川」はそんな小さなコミュニティと外界の境界線のように描かれていたのかもしれない。くそやろうではあるが、町のチンピラに怯えず、土地を守ることを決めたのも一男。この町の争いの規模に、くだらなさを感じていたのかもしれない。このしがらみで三兄弟が争うのも川の中。大人になって三郎も川を渡り、そこから行動に変化が現れる。渡らなかった二郎はそのコミュニティーでの成功を目指す。町の中でしか描かれないこの映画のロケーションも、コミュニティーの小ささをあざ笑うかのよう。僕も田舎から出てきたタイプなので、残っているやつと出たやつの違いってのが結構身に染みましたね。

たまたま一人で観に行ったので、嫁にどういう映画だったのか説明しずらいくらい、なんて言えばいいのか咀嚼がいる映画。でも、観てよかった。

映画としては、結構バイオレンスで、エロも田舎っぽくていいし、入江監督っぽい長いカットや、音のどきっとさせる演出など、非常に面白かった。地方のくだらないしがらみの中で争う、視野が狭い大人たちの嫌な世界を、入江監督は、めちゃリアルに描くこともできたと思うけど、そこをあえてフィクションの色を付けて描いて、映画としても面白くみれるよう地方というコンテンツを脚色してる。

俳優は、桐谷健太がめちゃくちゃいい。主役は3人だと思いますが、桐谷健太の映画といっていいと思います。ライトでポップな桐谷健太をここまでハードに使えるか。桐谷健太ファンになりました。大森南朋の不気味でなにやらかすかわからない感じとか、鈴木浩介の真面目っぽさもほんとよくて、この三人がまた絶妙にミスマッチ。この画面上のミスマッチ感が生き別れた兄弟感を演出しててそれだけで最高でした。般若でてきたのは驚きましたが、いい雰囲気出してた。篠田麻里子はなんともですが。

途中の一郎のニットがくそダサくて笑った。

f:id:kentaroll:20171209205926j:plain

 大森南朋の芸の幅の広さよ。

とりあえず、桐谷健太がすごい映画でした。

画面からも寒さが伝わってきて、いろんな人がみたらいいなと。

 

点数:90点

(お笑い)M-1グランプリ2017感想

f:id:kentaroll:20171204123750j:plain

出典:News about M1グランプリ on Twitter

 

M-1グランプリ2017

各コンビの気持ちが漫才にのっかって、緊張感までビシビシ伝わってくるこの感じ。

M-1ですねぇ。M-1は雨降っても終わらないのがいいですよね(©️とろサーモン)。

てなことで、M-1の余韻に浸りながら各コンビ振り返ろうかと。

 
1組目 ゆにばーす

ファーストラウンドの漫才で、一番好き。それくらい、ゆにばーすは凄かったし上手かった。敗因は順番だけでなく、認知度の低さも大きい。認知度低いコンビが一番手はエグい。はらちゃんと川瀬名人のキャラをつかむまで審査員も警戒する。それなのにしっかりウケたゆにばーすはすごかった。

あまりにウケてたから松っちゃんも「客がいいのか、ネタが受けてるのか」とコメントするくらい、会場には客笑いの「笑い圧」が発生してたんでしょう。

蛇足ですが、前座として客席を温めた、レイザーラモンくまだまさしバイク川崎バイクの功績も非常に大きい。

 

それにしても、川瀬名人のツッコミはいい。ツッコミMVPあげるとしたら、とろサーモン村田か川瀬名人か。M-1優勝したら引退するって公言するだけあるくらい、M-1漫才の巧者。自分たちの漫才がどう見られてかがわかってる。それを象徴するのが、最初の自己紹介の中でのシバキツッコミ。昨年、上沼恵美子がカミナリのシバキ漫才に不快感を示したのはあまりにも有名な話。そんな上沼恵美子が今年も審査員。男女コンビとして、ボケの女の子へのシバキツッコミは、強さ次第で一発「上沼アウト」が入る可能性がある。上沼の「女の子そんな叩いたらあかんわ」とコメントする姿は容易に想像できる。そこで見せたのが、川瀬名人の寸止めツッコミ。頭を叩くモーションはみせたが多分触れた程度に済ませていた。川瀬名人痺れるぜ。そのあと、普通に叩くこともあったけど、漫才のテンションが上がっている中なので気にならない。よしもとを「弊社」というセンスや、この大会での1番のパンチラインだと感じた「どんな戦争も嫌じゃ!」というツッコミ。強いワードやなぁ。漫才の構成も1階フリがずっと効いてて、素晴らしかった。オチツッコミ後にキュッと漫才をシメる何かがあっても良かったかなぁ。

来年は、はらちゃんの露出も増えるやろうから「イェーイ」も浸透して、ダダ滑りしていた敗退時の「遺〜影」ももう少しウケるやろう。来年は優勝かもな。

 

2組目 カミナリ

前述したゆにばーす後のシバキ漫才なので、上沼評が的を得ていました。シバキツッコミで笑いが起こってない。ネタは面白いけど、なんとなくハマってない。昨年とフォーマットは変えてましたが、あのシバキ漫才は、前の構成の方がシバキと笑いがリンクしてたかなぁ。あのシバキはボケが全く言うことを聞かないタイプやから面白いからなぁ。敗退コメントの撫でツッコミは笑えた。まだまだ楽しみなコンビ。

 

3組目 とろサーモン

とろサーモンはずっとみてきてますが、ようやく熟しましたね。すかし漫才、ボイパネタを経て、久保田のふてくされ感に村田の間のいいツッコミというスタイル。上手さがすごい。ネタはそんなに変えてない中でも、間違いなく昨年よりも面白い。久保田の変人キャラがしっかり確立され、村田のツッコみもめちゃくちゃ上手くなってる。ツッコミ時の声量や、久保田をシバく強さも変えたりしてちゃんとM-1用になってる。温泉女将ネタも今まで見た中で一番の面白さ。上がるべくして上がりましたね。

 

4組目 スーパーマラドーナ

うまいし、テンポいいし、面白いが、昨年のような爆発的な面白さがあったかというと、なんとも。まず、合コンネタに「オネエ」がいたというフリがM-1向きではない。なんでこんな入りにしたんかなぁ。保毛尾田保毛男が叩かれまくった最近の流れで、オネエがいたからおもしろかったしって導入はなぁ。ただ、合コンシーンの細かいネタはどれも面白くて、乾杯のくだりとか最高に笑ったんやけど、やはりフリが効くわけでもなく、最後までオネエいるか?ってなりました。ただ、面白かった。

 

5組目 かまいたち

面白いなぁ。テンポと細かいネタの挟み込みという、最近の賞レース向け漫才の中ではトップ級の漫才。巨人師匠はこれ系のネタにやたら点数つける傾向にある。「卍」とか、かまいたちっぽさも入ってて盛り上がりもよくて、かまいたちはほんとすごい。ただ、悪いとこないけど、一番おもしろかったかと聞かれると、、、そうでもない。そんな感じやなぁ。

 

6組目 マヂカルラブリー

マヂカルラブリーは去年の敗者復活戦ネタが大好きなんですけど、今回は全然M-1にハマってませんでしたね。というか、ツッコミ村上の良さが全然出てませんでした。野田クリスタルの奇行にタイミングよくツッコミ続けるフォーマットなのに。M-1決勝で暴れる野田への好奇心が勝ってたのか、間とかが全然良くなかった。まさかこの舞台でも、いつもの野田さん見せてくれるんですか?という「野田好き」感が出すぎて、ツッコみ弱かったなぁ。ただ、野田のボケ展開も弱くて、席に座るくだりは3回目くらいまで腹痛かったけど(大好き)、天丼続けるなら立ち見とか挟まず座るくだりやり続けるとか、舞台に視点変えるとかせんと。ハマれば跳ねると思うんやけどなぁ。来年まで刀磨いといてほしいな。

 

7組目 さや香

ルーキーらしい、テンション漫才。とてもいい。こやつらは売れる。テレビ向き。ガツガツしてるけど、悪いところも、ほとんどない。伸びしろしか感じない。今後が一番楽しみ。ほんといい。

 

8組目 ミキ

まさかのミキがここに来てやりましたね。順番も一番いいポジション。テンションもマックスの掛け合い漫才。動きと話芸で、細かいネタも挟み込みまくって、無知系のネタでわかりやすさもあって、完璧。漫才ってこれ。最高峰ですね。伯父の上岡龍太郎も感動したやろなぁ。言うことなさ過ぎて、感動。印象にも残ったし、言うことないなぁ。

 

9組目 和牛

ミキで感動してる間もないままに、和牛がやりましたね。もうめちゃくちゃオモロイ。9組目というくじ運も最高。Wikipediaによると、ネタは水田主導で二人で考えてるらしいけど、構成作家入れてるんちゃうかと思うレベル。大きいフリの中にも細かいボケが散らばらめられてて、その後のオチの流れも面白くて素晴らしい。大フリ大オチの構成は、麒麟がルーキー時代にM-1決勝でやった漫才を思い出させる。しかし、グラフのくだりは笑ったなぁ。水田二役の構成もすごいし、漫才というより、和牛劇場を見た感じ。二人で作り出せる世界観を超えてる。すごい。

 

10組目 ジャルジャル

漫才というか、ジャルジャル漫才ですね。スタンドマイク1本を前に、二人で言葉を使ってどう遊ぶか。ジャルジャルは毎回新しいし、面白いし作り上げてくる。出来上がってる。とろサーモンみたいなの久保田の調子によっておもしろさが変わるアドリブ要素満載の掛け合い漫才の対極にあるから、いつみてもおもしろい。去年のネタの方が好きやけど。ただ変わり種やなぁ。順番最後はかわいそうすぎる。パンクやった。漫才よりも、採点後の福徳の悔し涙にM-1を見た。こいつらこれに人生かけてるんやもんな。泣ける。

  

ファイナルラウンド 

とろサーモン

やばいネタ持ってきたかと思った。おいもやさんは「陰毛」のくだりをしつこくやるパターンがあるから、こいつらやりおった!と思いましたが、さらっとしてたし、今までで一番おもしろかった。二人とも今日はキマってるなぁ。

 

ミキ

 1本目が強すぎて、2本目のネタはちょっとわかりにくさもあり、これがミキの本来の姿という感じか。

 

和牛

和牛がやりたいネタ持ってきてましたな。水田の嫌みいいまくるネタは、全然M-1向きちゃうのに、急にロックみせてくるやん。ま、これが和牛漫才の原点で、真骨頂かもしれんけど、優勝ネタではなかったなぁ。あほやなぁ。

 

ということで、優勝はとろサーモン

漫才は一番うまかったし納得です。

 

しかし、敗者復活の天竺鼠はおもしろかったなぁ。あと、ランジャタイが1番目という状況も笑えたし、ネタも緊張してたんかひどくて笑った。ランジャタイも上沼恵美子にははまらんやろなぁ。笑

 

ゆにばーすがすごくて、ジャルジャルに感動して、とろサーモンの悲願に泣いた夜でした。

 

(81)彼女がその名を知らない鳥たち/阿部サダヲが汚くて、松坂桃李がエロい映画

f:id:kentaroll:20171117093046j:plain

出典:彼女がその名を知らない鳥たち : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

彼女がその名を知らない鳥たち

この映画は有楽町のスバル座で観たんですけど、もうちょっと公開規模広めてもいいんじゃないかなぁ。外れるかなぁ。傑作ではないけど、白石和彌監督(「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」)と俳優陣のすごさがビシビシ伝わる1本。本当に、リアルでなんとなく嫌ぁな空気の作り方がうまい。これを観る前に、ハイローとか現実離れした映画を続けて観ていたので、映画の空気感があまりに身の回りにありそうな雰囲気過ぎて、映画館でこれを見せるのはやめてくれぇってなりました。ほんとリアルすぎて。演出ってすごいっすね。

お話は結構ヘビーで救いようがないタイプのやつで、だいぶ心のHPが減りました。阿部サダヲはとにかく汚いし、蒼井優はどうしようもないし。竹野内豊もアテ書きかと思わせるくらいハマってたし、松坂桃李の真面目そうやけどたまらなくシモがひどくてエロい感じもGOOD。この映画やと松坂桃李が一番よかったなぁ。

 

f:id:kentaroll:20171117093213j:plain

出典:彼女がその名を知らない鳥たち : フォトギャラリー 画像(7) - 映画.com

 

阿部サダヲのコミカルイメージが強いから、ラストのあるシーンも、コミカルに終わるかもと頭をよぎりましたが、そんな訳ないか。

松坂桃李ファンはみるべし。

 

点数:82点

(80)HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION/どうしちまったんだよHIROさん・・・

f:id:kentaroll:20171110193720j:plain

出典:HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION : フォトギャラリー 画像(9) - 映画.com

 

HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION

どうしちまったんだよHIROさん・・・。いや、これがハイローなのか。。。。

HiGH&LOW THE MOVIE 2 のラストで上がりまくったテンションを叩きつけるかのように、本作鑑賞後のテンションは、まさしく上の写真のコブラ。。。

大好きな人との初めてのデートで、その人のご飯の食べ方がすげぇ汚くて、愛が一気に冷めるかのような、そんな、そんな、、、。

これもハイローなんすかね。辛いっすよ、HIROさん。

(追記)

愛聴しているライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル(通称タマフル)でも映画評が行われたので、当記事も更新させていただこうかと。

なんと、番組宛に送ったハイロー3の感想メールが読まれました。放送前日に「あ、明日は宇多さんのハイロー3評や」と飲み会の最中に思い出し、飲み会で急にダンマリしてメールを書くという奇人ぷりを発揮しながら送ったものでしたね。もちろん、ラジオネームなんて気の利いたものを書くことなんて当たり前のように忘れ、名前さえも書いてねーやと思ってたら自動的に署名に名前が付いてたんですね。宇多丸さんに「さん付け」で苗字で呼ばれるのもまた一興かと。タイムフリーで5回は繰り返して聞かせていただきました。

一応、送った評は以下です。

---

ハイローザムービー3観てきました。率直に言うと残念でした。エンドオブスカイで張り切ったアクションのさらに上を期待していたこともあり、完全な不完全燃焼と、謎のストーリー複雑化、音楽演出が少なくなった点など、帰り際にオレが好きだったハイローはどこにもない、と涙を流すくらいでした。ただ、よく考えるとこれもハイローなのかと納得しました。もっと祭りみたいなハイローが観たい。これで終わるなとおもわせる、そんな1作でした。

---(原文ママ

 

「完全な不完全燃焼」とか意味わかりませんね。ま、酔っ払ってるし、このブログも基本書きっぱなしジャーマンで、ほとんど見直さない乱文なので、影響が出ておりますね。丁寧に書くことを心がけないとあきませんね。

ということで、ハイロー3の映画評はこのメール文そのままで、すごい残念でした。

多分、HIROさんは、王道のストーリー映画がやりたかったんだろうなと。

ただそれによって、今まで広げてきたアンリアルな世界観に、薄っぺらいありがちでリアル風に見えるストーリーをミックスしてしまい、全然美味しくもなんともない一品が出来上がってしまった。そんな1作だったかと。

宇多丸さんアイデアのように、死亡遊戯や、漫画の幽☆遊☆白書魁!男塾かのようなベッタベタなチーム戦が観たかった!九龍グループの各チームとSWORDの各チームがそれぞれぶつかり合って、各チームいいところ見せて、最後コブラと大将の対決!みたいな感じがマジで最高やったでしょうねぇ。あー、マジでそんなハイロー祭り観たい。

ハイローシリーズがこんな感じで終わるとは到底思えないので、次回に期待ということで!とりあえず、最悪やったけどやっぱ好きやったとこはあったり、ハイロー最&高!

 

点数:70点

 

(79)HiGH&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY/ドラマとザム1についても

f:id:kentaroll:20171108174712j:plain

 出典:HiGH&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

HiGH&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY

見てからかなり時間がたってますが、HiGH&LOW THE MOVIE 3が公開される前にこちらについて書いておきます。

これはツッコミ所もめちゃくちゃありますが、それがゆえに最高に大好きな1作です。

 

HiGH&LOWシリーズは、TBSラジオのライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフルでの応援上映特集と、あるブログの記事(これが見つからない)で興味を持ったことがきっかけで、手を出しました。そんな事でも無い限り、「EXILEのふざけた映画」というイメージしかなく、高校恋愛モノのように一切触れることはなかったかと。

ドラマシリーズから入ってみたのですが、世界観やキャラクターのあまりに漫画的な作り込みと、それを笑いにさせないセットのクオリティで、眠っていた中2心を呼び起こされた感が半端ない。

さらに特筆すべきはアクション。これが本当にかっこいい。TOP級のダンサーのアクションは世界レベルでした。まさしく魅せるケンカ。これにつきる。ドラマシリーズでコブラがスライディングしながらドラゴンスクリューをかけるシーンがあるんですが、これがまた最高にカッコイイ。思わず「好き」と口に出していたことはあえて書かせていただきたい。それくらい、異常にクオリティが高いケンカアクション。そして、THE MOVIE1のラストの乱闘シーンで、それはさらに輝きを魅せ「アクションがやばいHiGH&LOW」の地位は確立されたかと考えております。

あと、もう1個いいのが、音楽。これが、最初は笑えるんですけど、どんどんかっこよく聞こえてくる不思議。何度も何度も繰り返される、各チームのテーマ曲。これが中毒になって、好きなチームの音楽が流れるとアガるようになってくるんですよね。私は、音楽とファッションをテーマにしているチームMIGHTY WARRYORS(マイティウォーリア-ズ)が一番好きなのですが、マイティの拠点であるクラブFUNK JUNGLEでのライブシーンが世界で一番カッコイイライブシーンなのではないかと思わせるレベル。私、音楽も相当好きですが、このシーンだけはホントに何度も見ました。

ただ、それに反して脚本の粗さ、演者の演技のくささはどうしようもないのですが、そんな事はどうでもいいくらい前述したいくつかの点が最高に光っていました。

 

で、HiGH&LOW THE MOVIE 2 END OF THE SKY。とにかく、HiGH&LOWが持つ武器である「アクション」「キャラクター」「音楽」「世界観演出」をすべて磨いてきたなという、ハイロー好きにはたまらない映画でした。これぞヤンキーファンタジー。日本らしい新ジャンルの映画ですよ。

もう、ジェシーコブラの喧嘩シーンが最高すぎて、好きすぎて、公式TwitterのGIFで何回も見ました。

 

さらに、豪華俳優陣による、九龍会のメンツが最高。

マイティのLIVEシーンも、曲もまたまた最高で。キャッチーな煽りに、混じりたくなるLIVEをしてくるから、ホント最高でした。やはり、日々MVを作っている人達は、音楽がある場所の絵作りは天才的。

ストーリはUSBの奪い合いと、ホワイトラスカルズVSダウトの抗争にSWORDが混じって大乱闘という感じの2部構成。脈絡あるようでない感じがめちゃくちゃで、セリフも琥珀さんのとりあえず「ケンカ」といっちゃう感じとかやっぱり笑えます。シリアスなシーンでも笑えて、やっぱり脚本の構成はどうしようもないのです。山王連合会のダン、テッツ、千春によるDTCドラマ部分も、あえて描く必要性が感じられずで。そんなところに口出しだすとキリがないのであえて目をつぶってもいいくらい。

ま、そんな事はやはりどうでもいいくらい最高なので、漫画的世界観、半端じゃないケンカアクション、長回しのシーン、クオリティーの高いライブ、達磨一家の登場シーン、などなど書き切れないくらい最高なシーンに溢れてるので、シリーズ1作も見ていなくても、この作品だけ観る価値は大ありだと思います。

 

点数:91点

 

11月4日(土)先日の新宿ピカデリーで行われた、一足先に最新作の「HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION」が見られる、映画ハイローシリーズのオールナイト上映イベントに参加してきたのですが、THE MOVIE 3 / FINAL MISSIONの感想は・・・後ほど。泣

(78)ミックス。/かなりきついし薄い。

f:id:kentaroll:20171023230103j:plain

出典:ミックス。 : フォトギャラリー 画像(2) - 映画.com

 

ミックス。

(お好きな方は、気分を害されるかとおもいますので、読み進めないようにお願い致します。©︎三角絞めさん)

こういう映画が好きな人がいるのもわかります。特に何も言わない、雰囲気映画。ハライチの岩井的に言うと「映画風」って感じ。いや、映画風でもないか。映画館なのに、サイドに黒帯が付いていた。映画館のスクリーンに家テレビの16:9サイズで映写していたので、これはテレビドラマや。というか、このサイズで作る予算しかないなら、テレビでやりましょうよ。

だから、ドラマ風。いや、ドラマ風でもない。この前やってたTBSの新ドラマ「監獄のお姫さま」の方が100倍良くできている。フジテレビよ、本気出せよ。

 

とりあえず、ひどかった。特に脚本がひどい。(すいません。個人の感想なので気になさらず。)冒頭からやめてくれよってシーン。そういう世界なんだといえばそうなるが、電車で見知らぬやつに近づくやつなんかいるかよ。田舎でも同じ。田舎は特別とか思って書いてるなら、その時点でキツい。映画の冒頭って、映画の命やろ。適当に書くなよ。

ガッキーの会社は実業団を作るくらいの会社なのに、庶務にチアなんかやらせるかよ。時代錯誤甚だしいし。

他にもいろいろ言いたいことありすぎるんですが、とりあえず間を抜いてラスト。

大会のある日曜に面接なんかする会社あるかいな。日曜に工場動かすわけないやろ。日曜に農業するかよ。農家はシビアに休むよ。
あと、セリフがひどい。それを言わされてるキャラクターもひどすぎる。キャラの背景の描き方も薄い。なんの感情移入もできない。
沢山俳優を見せたいのもわかる。フジに東宝が絡むなら、事務所利権も多いでしょう。ただ、それをやるならしっかり描け。「フラワー卓球チーム」って名前も一言申したいが、せめてあのチームメンバーの背景はしっかり描いてほしい。

試合に挑む動機、こういう日本映画にありがちな説明ゼリフでいいから、やろうや。広末の2面性の理由もハッキリしないし、極端すぎる。精神病に見えるくらい極端。さらに、唯一の高校生。

負けて凹んで、次へ!みたいなシーンで「稲中卓球部」をクスリとも笑わずに読むな。まさかとは思いますが、「卓球部」と書いてあるからスポ根マンガと勘違いして使った小道具じゃありませんよね??そうだとしたら、本当に寒気しかしない。「稲中」は漫画史に残る超下ネタギャグ漫画ですよ。小道具の使い方さえおかしい。

遠藤憲一夫婦の描き方もひどい。試合シーンを描けよ。試合に出ないのなら何故出ないのか。あの描き方は体調ではないでしょ。再起後の試合も描こうや。試合のシーンは無しという出演条件の契約なら、そんなやつチームに入れるなよ。ほんで、負けたならそこから何を得たのか描けよ。適当に子供の写真とか置いて、適当に二人を描くんやったら、あんなキャラ出すなよ。いらんわ。

かっこいい瑛太がボクサーである必要性はどこにあるんよ。あの工事現場シーンのしつこい描き方はなんなんよ。なんの気持ち良さも面白さもないよ。映画にもまったく関係ないやん。せめて、ボクサーっぽく殴りかかってやめるシーンくらいいれたらどうや。

ストーリーの説得性も全くないし、ほんと途中目を閉じたくなった。
救いは、蒼井優吉田豪太郎の振り切り具合とガッキーの可愛さとSHISHAMOの曲。この人たちは、こんな映画に関わらなくて良い。
いつの時代の演出やねんとおもわせるフジテレビの本当に酷すぎるクソ時代の演出。シーンに合わせた、それっぽい音楽も痛い。

とりあえず、一番キツイのは誰も卓球やってないこと。ピンポン球全部CGとかやめろ。


最後にもう一回。

映画館で中途半端なサイズの映像を流すな。予算の関係上やと思うけど、ちゃんとスクリーンをフルに使ってくれ。映画館サイズで映画作れよ。予算内なら、適当に映画作るのやめましょうよ。


フジよ、こういう作り方するからだめなんやって。過去の栄光にすがって、売れ線方程式使うのはやめて、また『帝一の國』みたいな、いい映画作ってくれよ。

 

点数:24点