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(お笑い)キングオブコント2017/素人総評・にゃんこスターの衝撃


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出典:キングオブコント2017

 

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キングオブコント2017

年末が近づいてきたと感じさせる風物詩的イベント。お笑い好きのための楽しいお祭り「キングオブコント2017」。

松ちゃん、さまぁ〜ずバナナマンの審査体制になってから、落ち着いたいい大会になってます。

2,477組から勝ち上がった今回の決勝進出者は10組。コンビ名さえ聞いたこともない出場者が多い今回。だれが何を起こすかわからない、そういう大会の方が楽しみでいいですよね。時代は常に新しいスターを求めている。

上からエントリー順だそう。

にゃんこスター(フリー)
GAG少年楽団よしもとクリエイティブ・エージェンシー
アンガールズワタナベエンターテインメント
わらふぢなるおサンミュージックプロダクション
ゾフィー(フリー)
パーパーマセキ芸能社
ジャングルポケットよしもとクリエイティブ・エージェンシー
さらば青春の光(ザ・森東)
・アキナ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー
かまいたちよしもとクリエイティブ・エージェンシー

【エントリー番号順】

 出典:キングオブコント2017

 

はい。ということで、見ました。

録画でも2回みました。ある組はその後何回も見返しています。いやぁ、楽しかったなぁ〜。

とりあえずネタ順にコメントしていこうかと。

 

1組目:わらふぢなるお

コールセンターネタ。漫才でもできそうなネタでしたね。身構えている視聴者にもちょうどよいスタートネタかと。オーソドックスで。ただ、ラストオチの選択はなんとも言えない。あれで、ネタの方向性がぶれたような。とにかく変なコールセンターの人を描くか、距離が遠いと思っていた二人の関係性が実は近かったというホラー方向にするか。後者だと難易度も高くて、笑いがぶれますからね。演者評としては、ボケのふぢわらさん(ぢにする意味よ)はコントよりも、採点待ちのときの浜ちゃんとのやりとりが素晴らしかった。今大会No.1でしたね。ある程度言うことを決めていたとは思うが、レジェンド浜ちゃんに物怖じせずボケてた。アナウンサーが採点ルールを説明した後の「ちょっと何言ってるかわからない」ってのは、サンドイッチマンにルーツを感じるナイスボケ。堂々としてたし、浜ちゃんからナチュラルなツッコミをもらえていたのは素晴らしい。ツッコミ側の人は、コント中もうちょっと振り切ってツッコミするか、淡々とツッコむか、ある程度方向性は決めた方がいいかなとは思いました。

 

2組目:ジャングルポケット

うまい。設定も、演者もうまい。さすがです。設定に引き込む空気感の作り方は一番上手かも。やっぱり斎藤さんの声の張り方、顔芸がいい。単純におもしろい。ネタもいいんですけど、気になるところもあったりはします。商談で急いでいる設定ならカバンもたせた方がいい。商談で上に行くエレベーターなら、1階設定の可能性が高いが、エレベーターを呼ぶボタンが上下ついていて気になった。さらに1階なら、もっといろんな人くるやろうと思ったり。こんなシチュエーションコントなら、ホテルの高層階から降りるシーンとかの方がおもしろいような。あと、兄妹設定はあまり面白みが弱いので変えたほうがいい。もっと続きが気になるようななんかね。ま、思いつきませんな。松ちゃんは「エレーベーターの開け閉めタイミングが少しずれてたかも」と。うむ。やはり、笑いは間が命ですね。

 

3組目:かまいたち

一番笑った。寝る前に思い出し笑いするくらいおもしろい。この日一番面白かったコントでしたね。特に覗きがバレているかものくだりが絶品。かまいたち得意の「般若」ワードからの般若タトゥーネタは、ゴールデンタイムでこれはあかんやろと思ったけど、後のスタンガンにめちゃくちゃ効いててスゲェ感心。笑ったなぁ。会場もめちゃくちゃウケてたし。浜ちゃんとのやりとりでは、大会にかけてる感がビシビシすごすぎて、もうちょっとリラックスしてくれよと思いました。しかし、おもしろかったなぁ。これは確かに1番です。

 

4組目:アンガールズ

この二人出なくていい。浅草の老漫才師かのような名人芸。空気感を作るのがうますぎる。細長身という唯一無二のキャラが出来上がっているから二人が出てきた瞬間に世界観が伝わる。出てきただけで空気作れるってすごいこと。賞レースで優勝するネタではないけど、ニヤニヤ面白いし、ゆるゆるっと見たい。安定しすぎ。ファイナルのコメントで「単独ライブのチケットが売れなくて」と言ってたから、それがすべてやったんでしょうね。来年は出なくて良い!

 

5組目:パーパー

このコンビ、男が圧倒的にいい。ほしのディスコさんって名前なんですね。声が綺麗だし、しかめ顔のしゃべり芸が抜群にいい。語り方もうまいし。このコンビが売れるには、女の子やろうなぁ。演じ方に意図がないというか、わざとっぽい棒読みもまだまだ修正の余地がある。浜ちゃんに緊張したかと聞かれて「微妙」と答えるところも全然ダメ。ひょうひょうとやるだけはよくない。本気のほしのディスコについて行くべし!頑張れ。面白かった。

 

6組目:さらば青春の光

 ま、そらおもしろい。居酒屋シチュエーション。日常の中で発見するありそうな発見。足りないものがあるとするとネタの選び方か。このネタも面白いけど、賞レースで勝つためのネタはなにか一つ大笑いが必要。決勝にもってくるネタをしっかり選べばちゃんと優勝できると思う。キングになるところは見てみたいし。ネタ中、東さんの頭にキラキラしたものがついてて気になったなぁ。優勝してもバカ売れはしなさそうやけど。

 

7組目:にゃんこスター

いやいや、すごいのが来た。紹介VTRからのちょっと怪しい感じですでにワクワクさせられてしまっていたんですけど、もう期待値を大幅に超えられた。すごいものを見たというザワザワがしばらくおさまらなかった。というか、いまだに残っているかも。スーパー3助が「おいらは縄跳び大好き少年だよ〜」って登場してきて、こいつら大丈夫か?からの大塚愛さくらんぼ」ではじめるめちゃくちゃうまい縄跳び。うまいなぁと思ってたら3助が「上手だね〜」謎のテンションで実況とツッコミをはじめる。サビダンスでのツッコミ、伝説の縄跳び、からの衝撃の自己紹介で、二人一緒に手を振る。これ、説明できひんな。なんというか、三村さんの審査コメントが全てを表現していた。「いや、コントに決まりなんてないし、、、家帰ってもう一回見たいもん」。そう、ルールは、4分という時間制限と、テレビで流せるネタで、笑わせられればなにやってもいい。公式の審査基準もこうである。

審査基準

とにかくおもしろいコント芸

このにゃんこスターまで、コントの設定とかリアリティとか、説得力が弱いとか、細かく書いてましたが、この二人の世界観にはそんな野暮なことはいっさい必要ない。ここまでの細かく凝った設定や境遇、キャラなどでがんばってきたコンビたちをただただフリに使ってきたかのような壊し芸。浜ちゃんも淡々と点数説明を始めるアナウンサーを止めて「まてまて、審査員に衝撃が走ってるねん」と言わせるくらい。ずっと続いてた大会独特の緊張感をうまく壊した。このネタ、適当にやっているような二人にみえるけど、相当練り上げられていると思う。スーパー3助のツッコミの張り方、動き方もうまい。あのなんとも言えないテンション、動きが下手だと全然ダメ。そんな踊り待ってないのに、待ってたかもと思わせる雰囲気。「おいら」「僕」「オレ」と一人称を微妙に使い変えてるし。かなりの妙手。そして、アンゴラ村長の踊りのキレの良さと、かわいさをたもちながら表現する憎たらしい顔芸。選曲もさくらんぼ使うあたりのセンスの良さ。さらにあの曲使って「もう一回」をスルーしてたのもすばらしい。二人ともルックスがよく、メチャクチャ売れそう。スーパー3助はサカナクションのボーカルみたいやし、アンゴラ村長のちょうどいいブサカワ感。

浜ちゃんが1位になった瞬間に二人の頭を叩くシーンがあって、そこがものすごい感動的。スーパー3助が直接叩かれたくて帽子を取ろうとするも間に合わないあたりも、笑いへの愛を感じる。浜ちゃんは、この後も何回もにゃんこスターの名前をコメントに出していて、相当にこの二人が生み出した空気感を認めたんだと思う。あ〜衝撃すぎる。

 

8組目:アキナ

順番が悪い。ホラーというかサイコ的笑いか。コント尺でやるネタではないなぁ。黒沢清監督の映画のように、奇妙なセリフのやりとりがおもしろいが。順番も悪いんですけど、これ決勝で点を取りに行くネタではない。単独ライブの3個目とかで、さらっとやるようなネタな気が。あと、SEが長すぎるし、暗転する時間も長い。もっと音も編集して、構成しないと。ただ、うちの妻は大好きなネタだったようです。一番好きだったようです。黒沢清映画好きやからなぁ。ま、会場がまだにゃんこスターに引っ張られすぎてたんでしょうね。浜ちゃんもアキナがでてきてるのに「にゃんこスターが1位ってすごいなぁ」ってさすがにかわいそうw 

 

 9組目:GAG少年楽団

関西にいたころからオールザッツ漫才とかでたまに見てましたけど、一回もおもしろいと思ったことがなかったんですよね。ただ、すごい頑張っている感があったから、今回の決勝に残ったと聞いて、ものすごく楽しみにしてました。しかし、全然変わってなかった。ちょっと、なにしてんねんと思った。相変わらず設定が甘いし、脚本も甘いし、ツッコミも弱い。もっともっともっと詰めた方がいい。今回のネタで言うと、全く現実的でない「50後半までずっと続けてる幼馴染との三角関係」という設定からきつい。さらに、その3人が社会的に成功しているって、そんなわけないやろ。あと、社会的に成功しているのにプレハブ小屋に集まるという世界観。全然ダメすぎる。さらに、50代後半の演技ではない。たぶんこの年齢だとこんなこと言うやろなぁという想像でセリフも考えているから、リアリティーもまったくない。コントにリアリティーは必要ないけど、この世界観には必須。この設定をやるなら、30代とか自分たちの年齢にあった年代にして、セリフももっとリアリティーにしてやるべき。いつも思うけど、演技もたいしてうまくないからこの人たち等身大の設定でコントした方がいいのに。最下位は妥当かと。

 

10組目:ゾフィー

ふたりともめちゃくちゃ声が出ていてうまかった。めっちゃライブ慣れしてるんやろうなぁ。やってる感がでてる。もっと他のネタも見てみたい。が、しかし、、、この二人の敗因は「ネタ選び」。それだけ。日曜日の20時台の地上波で、お母さんを「メシ」呼ばわりするネタはいかん。センスがなさすぎる。いや、おもしろかったんですけど、ここでやるネタではない。ほんとダメダメ。その空気が読めないと。現場で鍛えあげたがゆえのテレビ慣れしてないところがここに現れるか。このネタに高い点を上げると、審査員も同調したことになるし、点数はあげにくい。うちの妻も怒ってた。芸人って1度嫌われたところから好きになってもらうのって、めちゃくちゃ大変やのに。三村さんが言ってたけど「お母さんはメシじゃないんで」。それにつきる。

 

ファイナルステージ

 

ファイナル1組目:アンガールズ

やっぱり面白い。優勝狙いの、気合入ってるネタだったと思う。田中さんが10年間ストーカーしてそうと思える雰囲気の出し方もうまい。「法の中で暴れてるだけ〜」「こんなやつがいたんだよ〜」というすばらしいパンチラインもでた。ラストのオチだけで100点あげてもいいくらい。楽しい二人やで。すばらしいわ。

 

ファイナル2組目:ジャングルポケット

ちょっと2本目のネタは弱い。1本目が良すぎた。設定やキャラが甘い。設定練るならちゃんとやらないと。捕まってる斎藤さんが縛られてないのもよくわからんし、「殺される空気よりもロッカーに叩きつけられるのが嫌」っていうのも現実味がない。ここでの現実味の必要性って斎藤さんのツッコミに説得力を持たせるために超重要。3回目で「やめてぇ〜」ってのも早かった気もする。おたけが音で反応する設定なのかどうなのかも曖昧になって、よくわからんかったし。ま、そんなこと言っておきながら笑ったし、やっぱりおもしろかった。

 

ファイナル3組目:さらば青春の光

バナナマンが言ってたけど、設定が素晴らしすぎる。ピカイチ。その設定のおもしろさを説明する前に、観ている観客側にも「あれ?これってあれじゃね?」って気付かせるツッコミとタイミングと、間もバッチリ。森田さんの幸が薄そうな警備員感も100点。ただ、素晴らしすぎる冒頭からの展開が弱いから爆笑も起き難い。劇団員設定も、このバイトと相反するような気もしますね。「幸せではないですよ〜」って展開に持っていくのではなく、「いやいや幸せですよ、僕にとっての幸せって、帰った時に一人で飲む缶ビールなんですよ」とかにしておいて「幸せってなんだとおもいますか」みたいなやりとりの方向性が変わるっていく展開もありかと。そのパワースポットにきた東さんも何かバックボーンがあったみたいな設定にして、楽しい幸せコントorカオスにして終わるとか。ワードセンスがそうとう要求されますが。しかし、すごい設定に気づいたなぁ。面白いコントやなぁ。

 

ファイナル4組目:かまいたち

MサイズとXSサイズの間違いだけが気になるくらいで、もうずっと面白かった。山内さんのセリフ使いが優勝を感じさせた。「ウェットスーツの面積減らしたいだけじゃない」「目処が立ってんねん」パンチラインもたくさん。ラストのパンツ脱げるんちゃうかっていう心配と、叩きつけすぎやろっていうラスト落ち前がちょっといまいちでしたね。オチまでの足だけになるくだりももうひとつセリフ遊びがほしかったですね。ツッコミとボケが1本目と2本目で交代するあたり、二人のお笑い巧者っぷりがあらわれまくってて、今大会のチャンピオンにふさわしかったと思います。

 

ファイナル5組目:にゃんこスター

もう、1本目のあとからずっと待ってましたよ。2本目になにをやるのか。その期待感がもうはんぱない。それだけ、この日の空気をもっていっている。そんな中で、また全く同じ構成のネタ。「またやるんかい!」とテレビの前の皆さんは、間違いなく心の中でツッコミをしたと思う。「もう一回観たい」といった三村マインドのリクエストに答えるように、フラフープバージョンでやっちゃう感じ。もう、待ってましたという感じで笑えたんですが、縄跳びに比べるとフラフープ芸のクオリティがちょっと弱かったなぁ。アンゴラ村長さんも言ってましたね。苦手やと。あと、1本目でネタバレしてるから、「あ、このフラフープの神様の裏ににゃんこスターの絵があるんやろうな」と予想がついてしまう。それでも、ラストの「にゃんこスターでした〜」は、Eテレやアニメのエンディングのような、いつも同じものが見られる安心感と多幸感があり、全てをアリにしてしまう。あのラストのずるさは、どんなネタであってもほっこりとした空気感で終えられる最強の武器でもある。これ、最後みんなで一緒に言ってくださいね!っていうお笑いライブではありえなかったコール&レスポンスが実現しそうですね。てか、やってほしいし、ライブ見に行っていいたい!!観客「あ、あ、あ、ネタ終わりそう!ネタ終わりそう!ネタ終わりそう!」スーパー3助「僕たちのコンビ名は〜 せ〜の」

観客全員「にゃんこスターでした〜〜〜〜〜〜!!!」(手を振る)あ〜想像するだけで幸せ。浜ちゃんとのやりとりで空気が読めないアンゴラ村長が怖かったけど。

 

ということで、優勝はかまいたち。準優勝は独自の道を作って走りきったにゃんこスター。最高のキングオブコントでしたね。かまいたちおめでとう!!!ただ、にゃんこスターの回でしたね。

 

にゃんこスターの1本目を今週だけで30回は観たなぁ。それぐらいはまっている。

 

100点