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(49)聖の青春【試写会】


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出典:聖の青春 : フォトギャラリー 画像(7) - 映画.com

 

 聖の青春

原作小説 大崎善生著『聖の青春』が好き過ぎて、2016年公開映画の中では最も楽しみにしていた映画でございます。

何よりも先に観たくて試写会に応募しまくり、当選。先日行って参りました。

公開前のタイミングでここに書くか迷って寝かしてたんですが、やっぱり感想は書こうかなと。

 

この映画は松山ケンイチです。

松山ケンイチに尽きる。もう、何よりもすごいです。あの村山聖がそこにいた。

そして、松山ケンイチにつられて、周りの役者もすごいことになっていた。東出昌大染谷将太

将棋の対局シーンも素晴らしい。

命を削って指す駒の重さがこちらにも響いて来る。

とにかく演者がすごい映画です。

 

映画化まで丸8年かかったそうで、この監督さん原作小説と棋士 村山聖には相当思い入れがある様子でした。

正直、、、、、それが映画には逆効果に働いてしまっていると感じました。

原作をおそらく何百回と読み込まれたことでしょう。それにより、映画での表現が極限まで削られている。ナレーションもほぼないし、音楽も少ない。

説明に頼らず、役者に任せたかったのもわかります。この映画はそれくらい演者がいい。

しかし、それでは村山聖は描ききれんと思います。

あまりに説明が足りなさすぎる。

監督は編集中に、勝手に小説で描かれた説明の補正が脳内で行われていたのではなかろうか。

物言わぬ村山聖の脳内は、誰かが語りで補完すべきなのは間違いない。

そうしないと、ただの独りよがりで、破天荒な生活をして、病気しても仕方がないような男としてみえてしまう。(実際の妻の感想)

小説でも特に印象に残る水道の水滴のくだりなんてまさしく。聖の生きることに対する思いがわかるあんなにいいエピソードは、映画でもわかりやすく描いて欲しかった。

公開までの間に再編集かナレ入れしたほうがいいと思うくらい。こう思うのも最後の方にナレが入るから。最後のナレ入れでイイ声してた、原作者役?の筒井道隆でいいですよ。それだけでもっともっと良くなる。ぜったい。

それくらい出ている演者がすごいから。

原作を読んでいた僕は、脳内説明補正があったんで、泣けました。

ただ、一緒に行った涙もろいが原作未読の妻は泣けず。村山聖の気持ちがわからなかったとのこと。うぅぅぅ、、、悔しい。とてつもなく惜しい気がする。

もっと正直に言うと、予告編のほうが泣けた。

このロジックで言うと、予告編を作った人は無知でその中からわかりやすいシーンでしっかりと説明も入れて作り込んだ。

監督。もっと良くなると思う。この編集じゃないと思う。

ただ、ただ、ただ、ただ、それでもなんでも、松山ケンイチがすごいから、絶対に観るべきです。

松山ケンイチに95点あげますが、映画がいろいろ惜しいので、この点にします。

 

点数:79点

 

とりあえず、原作小説は100億満点のおもしろさと、村山聖の魅力が詰まりまくって、将棋なんか知らなくてもクッッッッッソ最高なんで、絶対に読んだほうがいい。

 

 

 

聖の青春を読む人生と読まない人生なら オレは読む人生を選ぶ。