炙るあざとさ 炙らない正直さ

刺身とか映画とかあれとかそれ

(72)イコライザー/笑えるくらい強すぎる男にホームセンターは鬼に金棒!

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出典:イコライザー : フォトギャラリー 画像(4) - 映画.com

 

イコライザー

この男最強につき!

『96時間』リーアム・ニーソンにもつながる最強男もの。そんな中でも、このデンゼル・ワシントン演じるロバート・マッコールの最強っぷりは笑える。

物語の運び方も素晴らしい。序盤はロバートの人間性や生活様式を描き、この人ちょっと変わってるなぁ・・・何者なんやろう。と思わせる静かなシーンが延々と続く。ホームセンターで働くマッコールのただ者ではない感じ。スントの時計を常に気にするあの感じ。気になる!この男。

クロエ・モレッツ演じる娼婦とのやりとりから、急速に加速していく話と映像スピードの差が素晴らしい。

常にハラハラドキドキさせるカメラワークも白眉。

相手のスペックや周辺の武器になり得る小物を眼で探るあのスローモーションシーン最高に好き。スントの時計で、時間を常に気にする仕草もかっこいいし。

デンゼル・ワシントンが付けてるのこれですね。

 

いやはや、最高に面白い。

ラストのホームセンターでのデンゼル・ワシントン無双も最高。

嫁も思わず「強かったなぁ」というくらい強い。最強。

勧善懲悪っぷりがめちゃくちゃ気持ちいいし、笑えるくらい強くていい映画観た感がすごい。

 

点数:89点

(71)二重生活(2016)/う~ん・・・三河弁で言うと「たるい」

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出典:二重生活 : フォトギャラリー 画像(2) - 映画.com

 

二重生活

「現代における人間の実在とはなにか(うる覚え)」という論文を書くために、ある一人の人間を尾行することになった女学生の話。

正直、本当に退屈な話だった。言いたいことはなんとなくわかる。長回しとかワンカットを長くして、演者をしっかり観せたいのもわかる。ただただ、テンポが悪すぎる。

長谷川さんを尾行するくだりはもっともっとシュリンクしていい。全体であと20分は編集で短くできる。

あと、出演者のキャラももうひとつ描き切れていない。

尾行がバレてからも論文を書きたいと泣きわめく門脇麦の動機がわからない。菅田くんと同棲してるのに、論文が自分の存在を示す唯一のツールとは思えないし。院生が論文にこだわるのもわかるが、なかなか褒めないリリーさんが褒めてくれたから?

ほぼ犯罪の手法で、論文ネタを勧めるリリーさんもリリーさん。ストーカー条例でアウト間違いなしでしょ。証拠もあるし。

長谷川さんも、不倫がバレたのは尾行のせいだというが、確実に門脇麦のせいではない。あと、編集者が作家に対してまるまる章を削れというには、言い方があるやろ。

こういう映画作るなら、論文の考察と尾行をナレとかでクロスさせるような描き方が見たかった。「尾行→論文の一説を執筆→尾行→論文執筆→・・・」のようにして、この尾行からこの子はこんなことを考えるのか、と、徐々に門脇麦の考えに観客がシンクロして行くような構造。だからこの子はこの人物への「尾行」にはまってしまっているのか、となる構成の方がみてみたかったと思う。あの演技なら編集次第で、できたと思う。ラストにだけ「現代での実存には秘密が必要」とか論文の考察文字と語りを入れるなら、マジで最初から入れた方が絶対良くなると思う。

あと、この映画の論点も、尾行をする面白みなのか、人間はあらゆる面を持っている事が言いたいのか、秘密を抱えているのが当たり前ということなのか。常に焦点がぼけてる。

人間に多面性があるなんてのは当たり前の話。そんな話は、平野啓一郎氏の『私とは何か---「個人」から「分人」へ』が秀逸。

 

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)

 

 

 

そして、一番ダメなのはタイトル。

この映画は「二重生活」ではないでしょ。過去にも同タイトルの映画2作あることなんてちょっと調べたらわかるし、それをあえてやってるなら尚更最悪。

「尾行」「秘密」「擬装」っていうワードだとかに「生活」という言葉を合わせるとか。

ゴミ集積所の監視カメラ映像もなんかなぁ。「誰もが誰かに見られている」っていうメッセージ表現したいのか、ダサかったなぁ。

とにかく、たるい!(嫁さんから学習した三河弁)

 

点数:55点

(70)アウトロー(原題:ジャック・リーチャー)/トム・クルーズだからいいんです

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出典:アウトロー : フォトギャラリー 画像(4) - 映画.com

 

アウトロー(原題:ジャック・リーチャー)

イーサンハントではないトムクルーズも最高やで。

ぬるっとした生アクションがかっこいい。やはり、トムがいるだけで無理くりな話がどうでもよくなるパワーがある。これぞ、役者がめちゃくちゃよければどうでもよくなる現象。(褒めてる)

なんやそれな展開が、トムやから許せる。それが逆に良い。

トム・クルーズのなんかちょっととぼけた顔がまた好きなんですよね〜。

映画の質も素晴らしいし、ネバーゴーバックも観なければ。

 

点数:79点

(69)ダーティ・グランパ/デ・ニーロのクソっぷり・・・仕事選べよ(褒めてる)

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出典:ダーティ・グランパ : フォトギャラリー 画像(7) - 映画.com

 

ダーティ・グランパ

マイ・インターンで抜群の好々爺を演じたロバート・デ・ニーロが、一転してどエロクソ老人を演じたクソエロ・ロードコメディ。ハングオーバーやTEDの流れを組む、ハチャメチャなドランク&ドラッグ&エロムービーです。

あきらかに暇やから観に来た老夫婦ばかりで、隣なんか上映前から席への荷物の置き方で喧嘩しだすし、映画の内容は婆さんが死んでからエロくハジける爺さんの話やしで、観に来たそんな方々には気の毒でした。笑

アメリカ映画って面白いのが、人種差別、LGBT、警察不正を真剣に描く映画もめちゃくちゃあるのに、それを一蹴するかのような差別助長(にみえるかのような)コメディ映画も沢山あって、それもビジネスとして成り立ってる。移民国家というか、しっかり笑えるように作ってるし、すごいっすよね。日本やと難しいしねぇ。

さらに、ホワイト向けの映画かと思いきや、ロバート・デ・ニーロにウータンクランのメンバー全員言わせてカラオケではラップ歌わせたりするあたり、ブラック向けのサービスシーンやと思えるし。(あれはウータンクランの曲?)

シコシコと二人が仲良くなってく感じとか、ありきたりでくだらないといったらそれまでやけど、やはり演技はめちゃくちゃうまいし、演出も下ネタが過ぎるけど上質やと思うし、笑える。

あ、ロバート・デ・ニーロファンであっても、下ネタダメな人はやめた方がいいです。

 

点数:81点

(68)ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー/ドニー師匠と映像美!

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出典:ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー : フォトギャラリー 画像(3) - 映画.com

 

ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー

スターウォーズを少なからず知っている必要がある作品。もちろんシリーズは観てますが、今の時代にこの感じはちょっときついなぁと思いました。

スイッチそこにあるんや!またスイッチ!とか。キャラの多さや設定、動機など。ちょこちょこある演出ももうひとつ流れにグッとのれなかった。

ただ、映像美は素晴らしく、エピソード4に合わせた飛行機アクションや美術の繋ぎ方や映像はニヤニヤできました。

頭に残ったのはドニー・イェンのカッコよすぎる殺陣くらいかですかね。

イップマンまた観たくなった。

 

点数:70点

(67)クリーピー 偽りの隣人/香川照之のセリフがヤバイ!

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出典:クリーピー 偽りの隣人 : フォトギャラリー 画像(7) - 映画.com

 

クリーピー 偽りの隣人

すいません。なめてました。劇場版のMOZUが酷すぎて、西島さんと香川照之のコンビはもうオワコンやと思ってスルーしようとおもってたんですけどすいませんでした。めちゃくちゃ面白かったです。

香川照之と映像演出がもう最高ですよ。変なところも多いけど、香川照之が面白いから帳消しできる。これ映画でたまに発生する、演者がいいからストーリーの矛盾はどうでもよくなる現象ですよ(めっちゃくちゃ褒めというか、激賞してる)。

香川照之の台詞が変でそれがまた怖い。犬のしつけのくだりとか、チョコのくだりとか不気味さで笑える。ラストの車のシーン最高すぎてニヤニヤしてしましますよ。変やけど最高に楽しい映画でした。

 

点数:89点

(66)ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅/魔法CGの映像美よ。

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出典:ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 : フォトギャラリー 画像(2) - 映画.com

 

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

魔法の表現が凄いって。もうこんなことできるんやね。

CGでの魔法や異世界観の描き方が、言語や宗教なんて関係なく、世界中の誰もが楽しめるクオリティなのではないでしょうか。ほんとにこれこそ、ノンバーバルクオリティ。

話もそこそこ面白かったんですけど、あのヒロイン的な女性の立ち位置が納得できず。ま、話の内容よりは映像表現。写真の一番前の男の人も面白かったし。

みんなめちゃくちゃうまいし。アメリカすごいっすよね。ありがとうございました。

 

点数:86点