仁義なき戦い 代理戦争
前作2作分(仁義なき戦い・仁義なき戦い 広島死闘篇)を観て、各ヤクザに愛着も湧いてきたところでの抗争劇。こういう抗争劇大好きです。
次のシリーズに続くような前哨戦的な位置の本作は、誰と盃(さかづき)を交わしたかのポジショニングトークが一番楽しい。
その仁義に意味はあるのかないのか。盃を割れば無しになるのか。そんな意味があるのか無いのかわからないやりとりが本当に最高ですね。
そして、次作に続かせる終わり方。
早く次作が観たい!!!
点数:87点
前作2作分(仁義なき戦い・仁義なき戦い 広島死闘篇)を観て、各ヤクザに愛着も湧いてきたところでの抗争劇。こういう抗争劇大好きです。
次のシリーズに続くような前哨戦的な位置の本作は、誰と盃(さかづき)を交わしたかのポジショニングトークが一番楽しい。
その仁義に意味はあるのかないのか。盃を割れば無しになるのか。そんな意味があるのか無いのかわからないやりとりが本当に最高ですね。
そして、次作に続かせる終わり方。
早く次作が観たい!!!
点数:87点
仁義なき戦い 広島死闘篇
これもめちゃくちゃですね。広島。
今作も菅原文太こと広能が活躍するのかとおもっていたら、いやはや広島死闘篇。山中こと北大路欣也大先生が最高じゃないですか。どうしようもない正直で馬鹿なまっすぐな眼。こんな顔できないですよ。ラストシーンとかあれ、映画史に残る名場面でしょ。
千葉真一が演じる大友がくそめちゃくちゃなんですが、そのめちゃくちゃ加減がもう拍手送りたいくらい。やめてくれ~(©ライス)って思わず出てきましたね。
この二人がもう高めあいまくった映画の質だとおもいますね。菅原文太は全然主演でもなんでもないので、ちょっとがっかりしましたが、そんな事はどうでも良くなるくらい二人が良かった。
ちょっとストーリー的に好みではなかったのですが今回も傑作でしたね。
しかし、今回も人殺しすぎですね。広島怖ぇよ。イイ時代に産まれたなぁオレ。
点数:87点
この前に取り上げた映画「この世界の片隅に」がとてもすばらしかったので、この時代の広島県・呉市ってどういう状況だったのだろうかと興味が湧き、この映画にたどり着きました。「この世界の片隅に」が昭和21年までの呉市が舞台で、「仁義なき戦い」が昭和21年の広島県呉市の闇市から始まるお話し。前から観たい観たいと思っていたが、なかなか機会がなく、今しかないというタイミング。「この世界の片隅に」を観た後に観なくていつ観る!
いやはや、すごい映画でした。
この手のヤクザ抗争映画はあまり観たことがなかったのですが、入り組む人間関係に抗争の図が複雑すぎて鑑賞後も解説サイトで確認をしたくらい。
この映画のすごいところは、実際にあった抗争がもとになって、ほぼ実話ベースで作られているということ。それを知りながら観ると、広島県めちゃくちゃ怖ぇよ!手汗がすごかったです。セリフもリアリティ重視の深作欣二演出なのか、聞き取れない部分も多かったが、それが逆に戦後の混乱や乱暴なヤクザものを描いているようで、むしろそれが良かった。ケンカシーンのやたらにぶれるカメラなんかもものすごくドキュメンタリーチック。やはり、原爆が投下されるって何もかもが普通ではなくなるなと再認識しましたね。
そしてなにより、演者がみなすばらしい。全員そのまま。すぐに人撃ちそうやし、裏切りそう。親分とその女将も二人ともやらしい感じが最高。だれもが知ってる菅原文太大先生が演じる広能のかっこよさは、この後続く続編でどんどん磨かれていきますが、この1作目でも充分感じられます。
もう、めちゃくちゃな時代ですよ。
それが知れただけでも素晴らしい映画ですし、傑作ですね。
「まだ弾ぁ残っとるんじゃけぇのぉ」
点数:88点
出典:この世界の片隅に : フォトギャラリー 画像(7) - 映画.com
大相撲の稀勢の里に一喜一憂して、逃げ恥のガッキーでキュンキュンして、うまい飯をいかに安く失敗しないように食べログとにらめっこして、当たり前のように生活できる幸せを、改めて実感できる本当にめちゃくちゃいい映画です。
昭和19年、広島・呉市に嫁いだすずの日常を描いた物語。もちろん戦時中のお話。しかし、これは戦争映画というより、主人公のすずが生きていた時代に、「たまたま」戦争があっただけ。そこに巻き込まれたすず視点での日常。
当たり前の日常に入り込んでくる非日常。当たり前ってなんだ。よかったねってなんだ。何がいったい普通で普通じゃないのか。いや、日常ってなんなんだ。
この世界の片隅ですずは好きな絵を描いて幸せに生きていたかっただけ。
つくづく物語は視点で左右されると感じた。呉に嫁いだすずさんの視点。
ちなみに、この話に続くかのように、昭和21年の広島・呉を舞台にした映画といえば「仁義なき戦い」。すずが楽しんだ闇市に、広能こと菅原文太がいたとおもうと、また味があっておもしろい。
このすずがまた間抜けな女の子なんですが、のん(能年玲奈)の声がこれまたはまり役で素晴らしいんですよ。
上映館数少ないんですが、ぜひぜひぜひぜひ観てほしい映画ですね。
点数:95点!!!
出典:ミュージアム : フォトギャラリー 画像(6) - 映画.com
※ネタバレありです※
映像の質感は好きでした。雨のシーンがじっとりとしていていい。
それと小栗旬がやはりベリーグッド。妻夫木くんの強そうな感じもまたいい。一時的にパンプアップさせてたと思われる上半身のゴツさがあった。
ただ、肝心の猟奇殺人やその周辺の描写がもひとつ弱い。もっとエグさというか、怖さがあっても良かったし。
話の枠組みは、もろに映画「セブン」。
原作の漫画に忠実なのか、その設定いるかな?という部分が多々見られた。カエル男と女医が双子?兄弟?やったり(漫画MONSTERの丸パクリ描写)、小栗旬のお父さんが大森南朋で通り魔に刺されて死んでたり(助けられた親子が挨拶に来るシーンは本当に不要)。小栗旬の人物像を明確にするためだったとしても、いらんと思うなぁ。
そんなところを削って、もっと映画をシュリンクさせた方が骨太になったような。
でも、人集められるキャストでこの映画を作る気概は素晴らしいですね。
もっと絶望的なエンディングの方が好みでした。
点数:80点
出典:マイ・インターン : フォトギャラリー 画像(6) - 映画.com
若手女社長にシニアインターンで入った老紳士がアドバイスしてあげるという、なんてことのない映画ではあるんですが、めちゃくちゃいい映画です。
何がそうさせてるかって、アン・ハサウェイとロバート・デ・ニーロ。この二人が醸し出すそれっぽい雰囲気がもうすばらしい。もちろん脚本もいいんですけど、演者である二人、特にロバート・デ・ニーロの役者の最高峰といえる姿。味がありますよねぇ。うまい。
立ち振る舞い、話し方、服の着こなし、驚き方、全てがその人の人となりを表現している。
アン・ハサウェイのちょっと気性が荒そうな顔つきもいい。
仕事に対する考え方なんかもちょっと参考になる、ほんといい映画です。
アン・ハサウェイもすばらしいんですが、ロバート・デ・ニーロが最高な映画!
点数:88点
出典:ケンとカズ : フォトギャラリー 画像 - 映画.com
Twitterでフォローしてる水道橋博士がやたらと絶賛されてて、宇多丸師匠のウィークエンドシャッフルでも以前候補に入っていたので気になっていた作品。最近知り合った、おもしろい友人がめちゃくちゃ気になってる作品と言っていたので、公開終了前に観ておこうと思って下北沢トリウッドに滑り込みで観に行ってきました。
ドラッグの売り子として、ヤクザに使われながら生活するケン(カトウシンスケ)とカズ(毎熊克也)の青春?映画。
結論から言いますと、この映画はすごい。主演二人でしっかりと映画を形成していて、そこの土台がかなりしっかりしている。登場人物は極端に少ないです。ただそれが良い。二人の心情に集中でき、揺れ動く二人の考え方まで脳内に入り込んでくるようで、観ている側までプレッシャーがかかる。手汗びちゃびちゃでした。
映画の質量はもちろん、重いです。とある方が「この映画で描かれている世界が地続きの現実とは思えないから、この映画はダメでした」という評論をされていたのですが、私は真逆でした。知り合いで元ヤクザ屋さんがいて、ホントかウソかわからない怖い話をよく聞いたので、「この世界はすぐそこにあるのかも」と感じながら観れてしまったので、余計に怖かった。フィクションであることはもちろんわかっていますが、映画の中での葛藤、人間関係、世界観含め、等身大のリアルが描かれていた気がする。そんなきつくて悲しい話を映画として成り立たせる監督の手腕に脱帽です。てか、監督の小路紘史さん1986年生まれって年下かよ!すげぇな。説明を入れず、画やセリフでわからせる監督の脚本・手法も素晴らしかったですが、無名の演者の方々も素晴らしかった。
ケンは目力と存在感が良かった。あと演技力がレベルアップすればいい役者になりそう。カズはめちゃくちゃやりそうやけど、0.1%くらい感じられる優しさの絶妙さが完璧で、いい目してました。藤堂役の高野春樹さんも、笑顔と怖い顔のギャップが最高で、子分の田上役の江原大介さんは怖い雰囲気が100点。簡単に人殺しそうな目。アホそうな、テルの藤原季節も良かった。
本当に誰も救われない映画でしたが、日本映画の未来は救われたと思えるような映画でした。こんな才能が日本にはいるのか、日本映画の今後が楽しみで仕方ないとおもえる傑作でした。重い映画好きには大推薦できます。
この監督の次作が気になる。
点数:90点